コストを度外視しても必要な対策はすべて行う -ソフトバンクモバイルの障害で孫社長が謝罪 | RBB TODAY

コストを度外視しても必要な対策はすべて行う -ソフトバンクモバイルの障害で孫社長が謝罪

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ソフトバンクモバイル 代表執行役社長兼CEO 孫正義氏
  • ソフトバンクモバイル 代表執行役社長兼CEO 孫正義氏
  • 10月24日時点でのシステム
  • 10月29日に実施された対策後のシステム
 ソフトバンクモバイルは30日夕方から記者会見を開催し、28日〜29日にかけて発生したシステムトラブルの状況と原因、対策について説明を行った。

 孫正義社長は、会見冒頭でMNP処理で不具合を起こしたことで他社やユーザーに多大な迷惑をかけたことを謝罪し、誠意を持って対応していくことを表明したが、一方では「処理能力不足によって迷惑をかけたことは反省しているものの、想定以上の申し込みが集中したことは、ユーザーが既存の携帯電話サービスの料金の高さに不満を感じていたことの表われでもあり、MNPの実現によってより安価なサービスが選択できるようになったという意味では貢献も大きいのではないか」とし、自社のサービス内容に関しては自信が揺るがない様子も見せた。また、今回のシステム増強などに関する対策コストは数億円規模に上るという見通しを明らかにしつつも、現場に対しては「コストを度外視ししても必要な対処はすべて行うように」と指示しているという。

●トラブルの状況と対策
 28日に、新規契約や料金プラン変更など、新料金プランに関する申し込みやMNPに関する処理などが集中した結果、システムの負荷が高まって輻輳状態になったことから、まず同日17時45分にすべての登録業務を停止した。対策として、登録システムの処理能力増強のため、システムの設定変更などの作業によって同夜間に約2倍の処理能力を確保した。

 翌29日は、28日の受付停止の影響で早朝から大量の処理が発生し、処理をしなければならないデータが28日の3倍程度まで急増したことから、12時10分にMNP受付業務を停止した。これに対応し、システム側ではMNP処理を業務システムから切り離してバイパス処理することで対処し、30日には障害は発生していないという。

 対応策の一環として、連休を挟む11月5日までの期間に限り、以下の対応を行う。

・申し込み受付のピーク時間帯(11時〜13時と17時〜19時)にはMNPに関する受付を優先して処理する
・NMPによる他社への転出は、他社の対応時間である21時20分まで受け付ける
・MNPによる他社からの転入の受付は19時までとする
・MNP以外の処理は20時まで対応する

 さらに、11月1〜5日については、

・申し込み受付は、MNPに関するものと新規契約に限る。機種変更などの受付は行わない(解約、故障、修理等は例外とする)
・この期間に機種変更を予定したユーザーへの対策として、11月中に機種変更を申し込んだ場合には一律500円分のポイントを付与する

という対策も合わせて実施する。

 今回のシステム障害の原因として、同社では基本的には想定以上の処理が集中した結果としているが、特に問題になったのはMNPで他社へ転出する顧客の処理時間だったという。MNPを利用してソフトバンクモバイルから他社に契約を切り替える場合、まずソフトバンクモバイルで予約番号を取得し、加入を希望する他社の窓口で加入手続きを行う。この際に、他社の窓口からソフトバンクモバイルに照会が行われるのだが、事業者間の取り決めでこの照会に対して120秒以内に回答するよう決められていた。今回のシステム障害で処理遅延が発生した結果、ソフトバンクモバイルでは取り決めを順守できず、120秒以内の回答ができなかったため、エラー処理としてリトライが発生し、このリトライがさらにシステムの負荷を高める結果となったという。

 今回の対応は、業務システムの処理能力を約2倍に増強したことに加え、MNP処理のためのシステムを業務システムからバイパスさせることにより、他事業者にも影響を与える部分に業務システムの負荷が波及しないようにして120秒以内という取り決めを順守できるようにすることに主眼を置いたものと言える。

 同社では、11月5日までは上記の対策を実施して状況を確認しながら運用し、5日以降は通常業務に復帰したいとしているが、この期間に再度問題が発生するようなことがあれば、さらに追加で対策を講じる可能性もあるとしている。

 一部の販売店で「MNPの受付を中止したのはDoCoMoとauに原因がある」、という趣旨の張り紙が掲示されたという報道もあった。しかし、ソフトバンクモバイルが取り決めを順守できなかったことで、両社からMNPの手続きを継続できない旨の通告があり、停止するに至ったというのが事実だ。そのため、取り決め通りの120秒以内での回答ができなかったソフトバンクモバイル側に非があってことだと説明があり、販売店頭の張り紙に関しては、同社からの指示によるものではない、とのことであった。

 なお、そもそもシステム障害に至った負荷急増の原因として、同社では家族割引の制度が煩雑であったため、その解約作業に伴う追加の作業が発生したことを挙げた。具体的には、同社の家族割では主契約者と副契約者が設定され、副契約者により大きな割引が適用されるようになっている。MNPによる転出などで主契約者が解約すると、副契約者があらたに主契約者に変更されることになるので、この内部的な変更作業が発生することに加え、副契約者が同時に解約を行った場合には、システムが内部的に副契約者を主契約者に変更してしまっているにもかかわらず、副契約者に対する解約申し込みが届くことで不整合が生じてしまい、その処理のためにさらに余分な負荷が生じるといった具合だったという。
《渡邉利和》

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