「やわらか戦車」ラレコ氏のラフ画やグッズのプロトタイプをお披露目 | RBB TODAY
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「やわらか戦車」ラレコ氏のラフ画やグッズのプロトタイプをお披露目

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角川ザテレビジョンの藤田氏の報告にて。単行本製作の過程で描かれた貴重なラフ画である
  • 角川ザテレビジョンの藤田氏の報告にて。単行本製作の過程で描かれた貴重なラフ画である
  • 最初は、ネットアニメと同じ雰囲気で周囲がかなり黒かったらしい。が、遺影みたいということでボツに
  • アシスタント2名が入り、背景などを任せる形で制作。その指示が入ったカットである
  • こちらは、すばる堂の木村氏の報告にて。「やわらか戦車の退却アクセ」の先行セールで1,000個が20分で完売
  • バンプレストの釜氏が持っているのは、2年目の新人男性社員が一生懸命手縫いしたというやわらか戦車のヌイグルミのプロトタイプ
  • 契約が決まる前にモックアップを作成してプレゼンに臨んだという釜氏。かなりの気合いの入り具合がうかがえる
  • フェイスの稲葉氏の報告から。各キャリアーとも実に数多くのサイトに着うたなどが提供されている
  • 「インベーダー」とのコラボゲーム。やわらか戦車は武器を持たないので、ひたすら後退しながらジャンプで下側を迫ってくるインベーダーを避けていく
 ネットアニメ「やわらか戦車」の商品を展開している多数の企業で組織している「やわらか戦車連合軍」。28日、「やわらか戦車連合軍 中間報告会」と題したパネルディスカッションが、「東京コンテンツマーケット2006」の会場内で開催された。ここでは、その模様の後編として、各社の取組みの模様や、今後の展開などをお届けする。

 最初は、角川ザテレビジョンのメディア本部メディア部出版プロデューサを務める藤田薫氏から。角川ザテレビジョンでは、今月18日に「やわらか戦車」の描き下ろしのマンガ単行本を発売したのだが、その経緯はコンテンツビジネスを検討している者にとっては貴重な助言であった。まず、ネット発信の情報をチェックするのが好きな編集者が「やわらか戦車」の人気急騰ぶりを初期の段階でキャッチし、単行本化計画が進んだとのこと。いかに情報収集が大事かという一例である。また最初はネットアニメ同様に黒く太いコマ枠を使っていたらしいのだが、遺影みたいだからということでボツになったという話も。貴重なラレコ氏のラフ画などをスクリーンで見せつつ、説明がなされていった。

 続いては、親会社にタカラトミーをもつ、食玩メーカーのすばる堂の企画開発部企画開発課担当課長の木村昭彦氏。ネットアニメのキャラクターを食玩にするということで、木村氏自身も不安な面が当初はあったらしいが、それは杞憂に終わったとのこと。最初はネットアニメを理解していない上司を説得するのが大変だったらしいが、現在はすっかりネットアニメが認められているらしい。社内の雰囲気を変えてしまえるほどのパワーをもった作品ということであろう。

 次は、各種アーケードゲームやクレーンゲームなどで知られた、バンプレストの釜早代子氏。アミューズメント本部プライズディビジョン第2プライズチームに所属する釜氏は、クレーンゲームを扱っているのだが、ファンワークスとの商品化に関しての契約を結ぶため、並々ならぬやる気を見せてがんばったそうである。ヌイグルミのプロトタイプとして、2年目の新人社員が慣れない裁縫でやわらか戦車を手作りしたり、プレゼンの時点でいきなりモックアップを作って持っていくなど、かなりの努力を要したようである。「やわらか戦車」はクレーンゲームでも抜群の集客力を見せているようで、収益が格段に上がったという報告もあった。

 そして着メロなど携帯関連の事業を営むフェイスからは、第1サービスプロデュース事業部の稲葉瑞恵氏。月によっては、「やわらか戦車」の着メロのダウンロード件数が、超人気アイドルグループの曲を上回って1位になるなど、信じられない人気ぶりを体感したそうである。同社の着メロや着うたのサービスを提供している企業は5社以上あるのだが、どこでもダウンロード件数は多く、ここでも「やわらか戦車」効果というわけである。また、タイトーの「スペースインベーダー」とのコラボレーションゲームや、バンダイナムコゲームスのPS2用の新作「太鼓の達人 ドカッ!と大盛り七代目」に主題歌が収録されることなども報告された。

 最後は、「やわらか戦車」を配信しているlivedoor ネットアニメのライブドア側のスタッフである、メディア事業部編成部リスティンググループのプロデューサ辻勝明氏。自社の過去の痛々しい逮捕事件の話まで出して、「あの時の自社のポータルサイトへのアクセスではサーバダウンはなかったのに、「やわらか戦車」のアクセスでは恥ずかしながら何回も落ちました」というブラックな報告で、会場を笑わせていた。現状、この8月にNHKで紹介されたりしたこともあり、急激にlivedoor ネットアニメのPVが伸びているとのことで、初公開時の12月より700パーセント近い伸び率だそうである。PVを獲得する手段として他者作品をもってくる方法もあるが、「安易なその方法をとらず、自社オリジナルの作品を育てるようにしたのが大正解だった」とのこと。ネットビジネスを展開するうえでの、貴重なヒントではないだろうか。

 今回のシンポジウムで、中には「救世主」とまでいうパネリストもいたわけだが、正直、「クリエーターを食い物にする」かのような雰囲気も見え隠れしていたように思えたのは、邪推しすぎだろうか。もちろん、企業の人間のみが出席しているシンポジウムであるため、話がビジネスに偏重した内容になってしまうのは仕方がないのだが。「やわらか戦車」と作者のラレコ氏を大事に扱っているとは思うのだが、今後もそれが末永く続くことを望みたい。
《デイビー日高》
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