【WiMAX World USA 2006 Vol.1】WiMAXの鍵を握る新しい端末——Yankee GroupのBerge Ayvazians氏が基調講演 | RBB TODAY

【WiMAX World USA 2006 Vol.1】WiMAXの鍵を握る新しい端末——Yankee GroupのBerge Ayvazians氏が基調講演

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歴史を感じさせるワールドトレードセンターボストンの正面玄関
  • 歴史を感じさせるワールドトレードセンターボストンの正面玄関
  • 朝のレジストレーションの時間には人が途切れる事がない
  •  WiMAXだけに特化した展示会「WiMAX World USA Conference & Expo」が10日〜12日(米国時間)にボストンで開催されたので、注目の基調講演について解説を含めてお伝えしよう。
  •  WiMAXだけに特化した展示会「WiMAX World USA Conference & Expo」が10日〜12日(米国時間)にボストンで開催されたので、注目の基調講演について解説を含めてお伝えしよう。
  • iPodにBlackBerryと無線ブロードバンドをつけると
  • 多様化するビジネスモデル
 通信業界で久々に生まれた大化けしそうな通信技術であるWiMAXは、日本でも2.5GHz帯の免許の行方を中心としてビジネス展開への注目が高い。そんな中、WiMAXだけに特化した展示会「WiMAX World USA Conference & Expo」が10日〜12日(米国時間)にボストンで開催されたので、注目の基調講演について解説を含めてお伝えしよう。

 WiMAX Worldの開催は今年で3回目。 会場は古都の雰囲気が漂うワールドトレードセンターボストンだ。主催者によると5000人の参加者と140もの出展者を数える世界最大のWiMAXイベントだという。確かにたった一つのテクノロジーだけがテーマで、しかも地味な通信技術に集中した展示会としてはかなりの大規模といえるだろう。ちなみに第一回目は2004年に同じくボストンで開催されたが、参加者はわずか600人だったという。最近のハイテク系の展示会としては日本人やアジア系の参加者が少ないと感じたのは、ボストンという土地柄からだろうか。

 

■WiMAXによってビジネスモデルの多様化が進む

 基調講演の最初として、Yankee Group のBerge Ayvazians氏によるWiMAXの産業動向の解説が行われた。 同氏は重要な話題として、Sprint NextelによるWiMAXを使った4Gサービス提供計画の発表を上げている。 2008年より100都市で1500万人に対して提供を開始、2011年にはさらに1500万人に対して提供する。 機器メーカーはSamsung ElectronicsとMotorola。 既存の大手移動体通信事業者によるWiMAXへのサービス展開の決定は、WiMAXの現実性を一気に高めた出来事である。

 また、全米の各都市で展開されているWi-Fiメッシュによる自治体(Municipal)無線ネットワークについては、Wi-Fiを屋内外でエリア的に補完するためにWi-FiとWiMAXとの統合ネットワークを提供するべきとしている。その前提となるのはノートパソコンへのWi-FiとWiMAX両機能の内蔵である。さらに衛星放送やCATVの事業者はサービスの双方向性を高め、またトリプルプレーサービスにモビリティサービスを加える手段としてWiMAXを導入することになるとしている。

 ポイントは、WiMAXが「パーソナルモバイルブロードバンド」という新しいサービスを実現するという事だという。鍵を握るのは新しい端末である。Ayvazians氏は競争のルールを一変させる例として、iPodに無線通信とBlackberry機能を搭載した例を示した。 このような形の製品はすでに「MusicGremlin」という製品が実現している。これはWi-Fiを組み込んだ携帯音楽プレイヤーであり、ケーブル接続なしで、しかもPCも使うことなく、インターネットから200万曲の音楽コンテンツにアクセスすることができ、さらに他のMusicGremlinユーザーと通信する事ができるという。

 さらに、このようなビジネスモデルの多様化の例として、中心となる商品・サービスの別にいくつかのパターンが示された。 コンテンツ中心のもの(例: YouTube、iTunes)、コミュニティ中心のもの(my space)、広告が中心のもの(Yahoo!やGoogle)、コマースが中心のもの(Amazon、eBay)、家電が中心のもの(Sling Media)、コミュニケーション中心のもの(Skype、AIMなど)、従来どおりのキャリアが中心のもの(Verizon Wireless、Vodafoneなど)である。 これらのように通信サービス以外の商品・サービスとセットにする事を可能とする端末が生まれる事でWiMAXによる既存市場の破壊が進むだろうとしている。 

 これを分かりやすく日本に当てはめて考えてみよう。最近、携帯電話事業者による音楽ダウンロードサービスの提供が相次いでいるが、オープンなWiMAXサービスが提供され、例えばWiMAXを内蔵したMusicGremlinの日本版のような携帯音楽プレイヤーが家電メーカーから売られるようになれば、携帯電話事業者もうかうかしていられない、ということだろう。

(干場久仁雄(株)IRIユビテック シニアコンサルタント)
《RBB TODAY》

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