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[WIRELESS JAPAN 2003]4Gでは端末同士が直接通信する?各社とも2010年を視野に

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[WIRELESS JAPAN 2003]4Gでは端末同士が直接通信する?各社とも2010年を視野に
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 FOMAやCDMA2000 1xなど第3世代携帯電話「3G」市場が徐々に盛り上がり始めているが、各通信事業者や端末メーカは「4G」に向け検討を進めている。WIRELESS JAPAN 2003のパネルディスカッションでは、これら通信事業者と端末のトップメーカーが顔をそろえた。

 まず、モデレーターであるインターネット総合研究所の藤原洋氏は、「2010年以降の通信インフラは固定網ではFTTH、移動網では4G。移動網でも30Mbps程度の通信速度が得られるためようやく携帯電話が通信の主役になるだろう」としたうえで、各社の4G戦略を尋ねた。

 「4Gの端末には大画面を実現させるためにペーパーディスプレイや3Dディスプレイ、バーチャルキーボードなどが必要になってくるだろう」としたのはNTTドコモの木下耕太氏だ。高速通信を最大限に活かしたサービスを利用すると、現状のインターフェイスでは追いつけないため、高度なインターフェイスが必要になるというのだ。さらに五感コミュニケーションやコンテンツ、バイオ認証技術などこれまでの枠にとらわれないサービスを検討しているようだ。また、同社では近々屋外での4Gの実験を開始する。実験と共に標準化を進め「2010年には商用化サービスを開始したい」と示した。

 「4Gの通信モードは大きく分けて3つある」としたのはKDDI研究所の篠永英之氏だ。同氏は「高速移動通信」、静止時における「高速無線アクセス」、端末同士が直接通信を行う「アドホック」の3モードに分けるのが最適だとした。しかし、アドホックモードの通信が増加するとキャリアにパケットが通らないため通信料金が取れなくなる。そのため、「キャリアをゲイトウェイに、認証や暗号化などのサービスを提供することで、アドホックモードでも料金が取れるのではないか」という。また、3つのモードのうち最適なインフラを自動的に選んでシームレスに切り替える必要があると強調した。

 ノキア・ジャパンの中川義克氏は、4Gにはさまざまな定義があるものの「2010年以降のためのエア・インターフェイスとシステムを考える1つの研究課題で、3G携帯電話までの流れとまったく違うものになると」とした。4Gを支えるバックボーンについては「IPv6を用いる」「無線LAN、携帯電話、PHSなどの無線インターフェイスの統合」「ASPやコンテンツなどのサービスインフラ、インターネット接続、PSTNなどの統合」の3つの条件が必要になるという。これら、さまざまなインフラを統合したうえで、その1つが“4G”になるため、これまでの携帯電話とは違ったシステムになるというのだ。

 これら3者の話を聞くには、「4G」を「第4世代携帯電話」と呼ぶのは少々乱暴のように思える。4Gはこれまでの携帯電話の概念を覆すまったく違った方向に進化するようだ。

モデレーターであるインターネット総合研究所の藤原洋氏


(左)NTTドコモの木下耕太氏(中央)KDDI研究所の篠永英之氏(右)ノキア・ジャパンの中川義克氏
《安達崇徳》
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