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東京めたりっく通信と東京ふぁいばあ通信、ダークファイバ活用によるDSLサービスの拡大を発表

ブロードバンド 回線・サービス
 東京めたりっく通信と東京ふぁいばあ通信は共同で記者会見を開き、ダークファイバ(NTTの所有する使用されていない光ファイバ)を利用した高速バックボーンの構築と、それを利用した低価格・高速のADSLサービスの提供を発表した。

 まず、東京めたりっく通信のADSLサービスについてだが、新たに3Mbpsメニューが追加されることが発表された。このサービスは3月を目処に
東京23区エリアからスタートされ、1万円程度の月額利用料が予定されている。通信方式にG.dmtのAnnexCを採用しており、交換局からの距離がおよそ2kmまでであれば3Mbpsの速度が保てるという実験結果も公表されている(ちなみにG.dmt AnnexCでは規格上の下り最大速度は6Mbps)。

 このように低価格で高速接続サービスを行える背景として、東京ふぁいばあ通信の提供する低コストのバックボーンの利用があげられており、既存のサービスメニュー(Single/Family)についても、価格の引き下げや高速化などのかたちで還元されていくことが期待できる。

 従来のサービスについても、640kbpsと1.6Mbpsという2種類のメニューが統合され、速度は1.6Mbpsに一本化される。価格は従来の640kbpsのものが適用されるため、ユーザにとっては値下げもしくは増速となる。価格改定は2月分(3月請求)から適用される。名称および速度と価格は以下のとおり。

  Single640およびSingle1600 → ADSLシリーズSingle
  Family640およびFamily1600 → ADSLシリーズFamily

ADSLシリーズSingle
 下り1.6Mbps(最大)/上り288kbps(最大)
 初期費用 27,000円
 月額利用料 5,500円

ADSLシリーズFamily
 下り1.6Mbps(最大)/上り288kbps(最大)
 初期費用 32,000円
 月額利用料 5,500円

 ちなみに現在、東京めたりっく通信のDSLサービスは5,000件が開通済みとなっている。抱えているバックオーダーは約2万2000件で、現在は1日あたり300件のペースで工事が進んでいるという。2月の中旬からは1000件/日のペースでの開通を予定しているということなので、1か月、2か月待ちという状況はしだいに解消されていくことが期待できそうだ。

 東京ふぁいばあ通信は光ファイバによるバックボーンの構築を目的としているが、今回NTTのダークファイバを利用できるようになったことで、自前の光ファイバ網設置よりも低コストでバックボーンの構築が可能になったという。

 DSLのバックボーンについては現在、交換局からNOCまでの接続にNTTの専用線サービス「ATMメガリンク」が使用されている。これを東京ふぁいばあ通信がダークファイバを活用してリプレースしていけば、かなりのコストダウンが可能という。ダークファイバを使用することで、ATMメガリンクの最大600Mbpsをはるかに上回る数Tbpsのバックボーンも構築できるとのことで、今後のブロードバンドユーザーの増加にも十分耐えられそうだ(ただし、インターネット接続として見た場合、東京めたりっく通信のNOCからIXまでの帯域についても強化される必要があるのはいうまでもない)。

 また、今回の発表では、ビルなどにすでに引き込まれているダークファイバを使用して、東京めたりっく通信がVDSLサービスを提供しようというプランについても披露された。VDSLは40Mbps程度までの通信が可能な規格だが、速度を維持できる距離が短い。光ファイバ引き込み済みビルにVDSL集合モデムを設置し、ビル内や狭いエリア内でVDSLが利用できるようにしようというもので、FTTHが光ファイバを各家庭に敷設していく大がかりな工事になるのと比べれば、ビル内の既存インフラである電話線を利用できることから、導入までの障害は小さい。実現すれば、企業やビルオーナーにとってはかなり恩恵のあるサービスとなりそうだ。


 なお、記者会見の席にはNTT東日本の相互接続推進部長も同席しており、NTTにとってもダークファイバの提供が大きなターニングポイントであることを印象づけた。すでに数十の通信事業者からもダークファイバ利用についてリクエストが寄せられているとのことで、約款などの整備が済みしだい、他の通信事業者に対しても提供されていくとのことだ。ただし、ダークファイバはあくまで未使用の光ファイバであり、どのエリアでも潤沢に余っているとは限らないとのことで若干の不安要素も残している。

 会見冒頭でめたりっくグループ代表の東條巌氏が述べたように、明治維新にたとえるなら維新・開国というところまでたどり着いたというのが実感だろう。FTTHのために長大な光ファイバ網が敷設されていながら、エンドユーザのところまで届いていないばかりに大部分が未使用のままとなっていた。この光ファイバ網が今年いよいよブロードバンドネットワークのために活躍するわけで、インターネット接続の高速化と常時接続の普及にさらに弾みがつきそうだ。
《RBB TODAY》
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