ストレージを自動減量!EMCがCelerraシリーズの新製品を発表 | RBB TODAY
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ストレージを自動減量!EMCがCelerraシリーズの新製品を発表

エンタープライズ その他
執行役員 マーケティング本部長 高橋俊之氏
  • 執行役員 マーケティング本部長 高橋俊之氏
  • EMC製品の技術動向
  • マーケティング本部 プロダクト・マーケティング部 雨堤政昭氏
  • データの7割は、バックアップや非構造化データ
  • バックアップと一次ストレージそれぞれに最適なソリューションで減量化を支援
  • ストレージの減量技術の比較:圧縮効率だけでなく、CPU負荷や業務への影響も考慮する
  • ポリシー設定も可能な自動分類・圧縮機能
  • 最大50%の利用効率のアップ
 EMCジャパン(EMC)は25日、NAS製品「Celerraシリーズ」の新機種「NS-120」、「NS-480」「NS-960」、「NS-G8」(ゲートウェイ型ストレージ)と、その新製品に搭載されるストレージの圧縮技術などを発表した。

 省エネやコストダウンのニーズから仮想化やサーバー統合がひとつのブームのようになっているが、ネットワーク型ストレージも重複除外などの技術によってスリム化、効率アップがトレンドになりつつある。今回EMCが発表した新機種は独自のファイル圧縮技術と重複除外機能を内蔵し、ディスクスペースの確保を自動的に行ってくるれるという製品だ。この機能以外にも、フラッシュメモリによるSSD対応やVMware環境のための管理ツール、SECのコンプライアンス要件に対応するファイル管理機能などが追加される。

 まず、同社の執行役員 マーケティング本部長 高橋俊之氏は、EMCは2008年から2009年にかけてストレージの仮想プロビジョニングによるディスクの利用効率のアップやSSD対応による運用、管理コストの低減、重複除外によるバックアップの効率化などをいろいろなモデルで展開してきたと述べた。とくにエンタープライズ向けのハイエンドなフラッシュメモリによるSSD対応は、おそらく世界初の企業であると強調した。

 新しいCelerraシリーズは、これらの技術や機能をストレージ本体に集約しアプライアンス製品のように利用できる。新機能は実勢価格で200万円を切るエントリーモデルから利用可能としている。また、既存システムでも内蔵OSをアップデートすれば自動圧縮機能などが利用できるようになるそうだ。

 マーケティング本部 プロダクト・マーケティング部 雨堤政昭氏は、仮想化やサーバー統合、セキュリティ、年60%ずつ増えると言われているデータ量の管理などにより、ストレージも大容量、高速化、コンプライアンスなどが要求されるようになってきたと、今回の新製品投入の背景を語った。IDCの調査によれば、企業の持つデータの内訳は、その70%以上が複製・バックアップデータと、画像や分散したファイルなど非構造化データだという。

 データの減量化にはこの部分がポイントとなるとして、バックアップ部分はまず重複除外で対応する。重複除外はファイルレベルで行われる。そして、一次ストレージについては活性データと非活性データに分類し、非活性データを圧縮することで対応するという。これは、一次ストレージの圧縮が通常業務のパフォーマンスに与える影響を抑えるためだ。また、圧縮効率でいえば、本来データをブロックごとのビット列として同一ブロックを排除する方式のほうが高いのだが、ファイルレベルでの重複除外を採用しているのも同じ理由からだ。ブロック単位での重複除外は、そのブロックのファイルをアクセスする場合に処理のオーバーヘッドが発生する可能性がある。

 同社が提供しているファイルサーバーのアセスメントサービスによれば、データの68%は90日以上アクセスがないという結果がでているそうだ。つまり、ファイルサーバーの2/3は非活性データというわけだ。Celerraでは、これらを独自アルゴリズムにより、自動的に抽出分類し圧縮をかける。この処理は、さきほどの重複除外処理とともに、CPUのアイドル時間を利用するようになっているので、ここでも通常業務への影響を最小限にできる。非活性データの自動選別や圧縮処理のスケジュールは、ユーザー企業ごとにカスタマイズできるようになっているそうだ。

 コンプライアンス対応では、SEC Rule 17a-4(f)に準拠するべく、ファイルシステムそのものの削除やタイムスタンプ改ざんによるコミットファイルの修正や削除ができないような機能が追加された。またログ管理機能も強化されたという。

 VMwareをサポートするツールではシンクライアント環境で利用可能なスナップショット機能(VMware View)や災害自動復旧のための管理ツール(VMware vCenter SRM)などが紹介された。スナップショット機能では、たとえばOSのブートイメージをキャプチャしたもので多数のシンクライアントのデスクトップVMを起動させることが可能となる。このとき、CelerraのSSD対応モデルを利用し、ゴールドコピーと呼ばれるスナップショットイメージをフラッシュドライブに保存すれば、数千台の仮想デスクトップを数分でプロビジョニングできるという。自動復旧はフェイルオーバー機能が働いたあと、復旧作業(フェイルバック)も自動化できるようにワークフローを定義するための管理ツールが用意された。
《中尾真二》
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