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【ウェブユーザビリティ洞察】検索をナビゲーションに改変する……ニールセン博士のAlertbox

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Amazon.comでの「ピンク色で耐衝撃性のあるiPhone 5カバー」に対する検索結果1ページ目からの抜粋
  • Amazon.comでの「ピンク色で耐衝撃性のあるiPhone 5カバー」に対する検索結果1ページ目からの抜粋
  • テストしたCostcoのウェブサイト: 「television」と検索すると表示されたページ
 したがって、あなた方のところの検索機能のデザインが良くできていて、探している具体的アイテムの名前をユーザーがうまく定義できれば、検索はうまくいく。eコマースサイト上での検索のテストでは、ユーザーは1回目の検索において希望するものを見つけたのは64%の確率だった。そして、彼らの総合的な検索成功率は74%と非常に良かった。

 成功率が10%上がったのは、ユーザーが複数のキーワードを試したからである。これは別の見方をすると、最初の検索に失敗した36%のユーザーの中で、割合にすると28%の人しか成功できなかったということである(10÷36=0.28)。言い換えると、検索の問題としてはやさしいものから難しいものになることで、成功の確率は64%から28%に低下した、ということである。

イントラネットはまた別の話である。イントラネットの検索は実装が不十分なことが多いため、企業の従業員のほとんどはイントラネット検索の利用を限定的にすることを学んでいく。最近行なったイントラネットのユーザーテストでは、従業員たちは平均するとタスクの19%でしか、検索を経路探索のための最初の方法として利用していなかった。イントラネット検索の質は、良いものから悪いものまで、企業によって非常に大きなばらつきがあったが)。

平均的な情報検索者向けにデザインする

 検索サジェストはいまや一般的なやり方となっており、ユーザーが自分たちのニーズをほのめかす文字を数語打ち込むやいなや、可能性のある完全な形のキーワードをドロップダウンとして表示し、彼らのキーワード生成能力の限界を越える手助けをしている。とはいえ、検索サジェストは有益ではあるが、制約にもなりうる。というのも、ユーザーはドロップダウンをミニSERPと見なし、そこに一覧されたものがサイトで扱われているもののすべてだと思うことが多いからである。つまり、検索サジェストに入ってないものをユーザーがわざわざ検索することは決してないように思う。

 しかし、我々はCostcoのウェブサイトでの買い物についてのテストで、ユーザーの検索に関わる問題を克服する手助けになる良い方法を見つけた。それはあるユーザーがテレビを買いたいと思って、Costcoのホームページでいきなりtelevisionというキーワードを入力したときのことである。

 まったくSERPではなかったのだ! これはテレビのカテゴリーページである。このページに載っているのは、この商品カテゴリーに関連した特徴と、プラズマ/液晶、そして、ブランド、解像度、画面サイズといった関連するファセットである。そのどれもが「通常の」SERPに現れることはないだろう。そこで扱う検索結果の種類は幅広いものでなくてはならないからである。

 では、Costcoはインチキをしているのか。検索という概念を非常に厳密に解釈すればそうなるだろう。しかし、テストでユーザーたちはこのサイトに満足していた。彼らが望んだもの、つまり、人々がまさに欲しいものをこのサイトは与えてくれたからである。

 確かに、ユーザーの検索キーワードが一義的で、カテゴリーとぴったり一致しているときには、彼らを通常のSERPからカテゴリーページへリダイレクトすべきである。「3D TV」と検索すると、テレビについてのサブカテゴリーページに行くのはかまわないと思う。しかし、「3D」と検索したときには通常のSERPを表示すべきだ。(Costcoでは正確にこれを実行しており、3Dテレビとその検索キーワードに関連する他の商品の両方が入ってくる)。

 人々が複雑な検索を理解するようになり、それに応じてスキルを向上させるまでは、必要とするものをユーザーが見つけやすくするために、こうした踏み込んだ措置を取るビジネスがカスタマーサクセスを向上させ、収益をも向上させることだろう。

【さらに詳しく】
自動送りカルーセルとアコーディオンは、ユーザーをいらつかせ、可視性を下げる
ミニIA: 1つの概念の情報を構造化する
うまくいっていないメガメニュー
アルファベット順は(たいていは)やめたほうがよい
メガメニューはサイトナビゲーションに効果あり

※この記事は、ユーザビリティ研究者ヤコブ・ニールセン博士が運営するサイトuseit.comで連載中のコラム『Alertbox』の転載・翻訳記事です。株式会社イードが運営する「U-Site」では、博士からの正式な許可を得て同コラムの全編を日本語訳し公開しています。


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