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Twitter、ライフラインプロジェクトの進捗は?……「ライフラインアカウント検索」機能を新たに追加

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「ライフラインアカウント検索」
  • 「ライフラインアカウント検索」
  • Twitter Japan代表 近藤正晃ジェームス氏
  • ツイッターの災害活用:アメリカ
  • 3.11の前後で日本のツイートはそれまでの6倍に増えた
  • ソフトウェアエンジニア 箕輪太郎氏
 Twitter Japanは18日、4月に発表したライフラインプロジェクトのその後の状況報告と、関連した新機能追加について発表を行った。日本でのツイッターは、2011年の東日本大震災を契機に一気に広がったといえるだろう。同社のライフラインプロジェクトは、そのときに判明した課題を含めて、ツイッターが果たした役割を強化、推進すべく2012年の4月に発表されたものだ。

 2011年3月11日にツイートされた内容で最も多かったのは、避難関連情報、被害状況、安否確認、物資関連情報の4つだったそうだ。その中で、たとえば放射能の情報は、当日の数値が知りたいのであって前日の数値では古い情報となってしまうかもしれない。また、被害状況も正しい情報以外は混乱の元である。新しい情報や役に立つ情報の影にある、古い情報や間違った情報による混乱にどう対処するかが、3.11以後のチャレンジとして浮かび上がり、課題克服のための活動がライフラインプロジェクトにつながっている。

 Twitter Japan代表の近藤正晃ジェームス氏は、以上のように今回の記者発表の背景を説明し、現状の取り組みについて紹介した。まず、ライフラインの取り組みには、次の6つの柱があるという。1)安定したサービス(サーバの増強)、2)ライフライン関連のアカウント(政府・省庁、自治体、公共サービス機関、学校)の増加、3)認証アカウントの増加、4)外部機関との連携、5)ユーザーへの認知、6)製品・サービスの向上である。

 ライフラインアカウントは、ほとんどの省庁と都道府県レベルの自治体の3/4、そして東京や大阪を中心とした主要交通機関がすでに登録され、他にも学校などの教育機関や電気、ガス、水道などにおよぶ。市町村レベルの自治体も順次拡大中とのことだ。認証アカウントは、現在青いチェックマークが表示されるアカウントのことで、ライフラインアカウントのほとんどは認証アカウントである。

 外部機関との連携は、政府の「IT防災ライフライン推進協議会」において、自治体や公共サービス事業者にツイッターの認証アカウントの取得や情報発信への積極利用をガイドラインとして制定するといった活動に取り組んでいる。近藤氏は、同協議会の委員であり副座長を務めている。

 製品やサービスの向上については、「ライフラインアカウント検索」の機能を新たに追加したと発表。同社のソフトウェアエンジニアである箕輪太郎氏によると、この検索機能はツイッター画面上部の「#みつける」タブに「ライフライン」という項目を追加し、その中で郵便場号から最寄の防災情報を発信している自治体や公共機関、交通機関などの認証アカウントの一覧を表示できる。そして、利用者は必要なアカウントをすぐにフォローできるようになっている。

 新規にアカウントを取得するユーザーの場合、登録プロセスにライフラインアカウントの検索・登録フェーズが追加されるようにもなるという。フォローしたアカウントについてはツイート通知の機能を設定すれば、最新情報がプッシュされるようにもなる。ただし、ライフラインアカウントが追加されたかどうかは、現在のところ手動でチェックする必要がある。この点は「まだはじまったばかりのサービスなので、その他のユーザーの意見を聞きながら対応していきたい(箕輪氏)」とのことだ。

 ライフラインアカウント検索機能は、18日から利用可能になっているが、発表時の段階ではおよそ10%のユーザーに機能を解放しているとのこと。サーバーの負荷や状況を見ながら、順次サービス対象を広げ、数日以内には100%のユーザーが利用できるようにするという。

 なお、災害時のツイッターは、日本だけでなくアメリカ西海岸の大規模な山火事やタイの洪水などでも活用事例があるが、ライフラインプロジェクトは、3.11によって利用者や運営側ともにノウハウで先行する日本法人からスタートさせ、いずれは海外へもサービスを広げる予定があるという。

 災害情報以外、たとえば、防犯情報、海外渡航情報、製品のリコール情報などへの機能拡張はあるか、との問いに、同社広報の齊藤香氏は、「ライフラインプロジェクトは始まったばかりなので、いろいろな可能性を考えています。ご指摘の分野もできれば広げたい気持ちはあります」と、具体的なプランはないが、情報発信インフラとしてのツイッターの利用法については、あまり限定しない認識を示した。

 先般、消防庁が119通報にツイッターの利用ができないか検討を開始したという発表があった。防犯情報や製品のリコール情報などは、警察や各ベンダーが防災メールや自社ホームページなどで対応しているが、広く認知させるという意味でツイッターのようなSNSの利用は広がるかもしれない。
《中尾真二》
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