2009年は「電子ペーパー元年」、前年比“1000%超”の337億円市場に ~ 矢野経研調べ
「電子ペーパー」とは、随時書き換えが可能で、紙に近い見た目を実現、反射型、消費電力がほぼ不要で表示内容を保持できるディスプレイを指す。この調査によると、2009年の電子ペーパー世界市場規模は、メインアプリケーションである電子書籍端末/電子ビューワー市場が立ち上がったことで一気に需要が増加し、前年比約1030%の337億円となった。
同調査では、この要因を、Amazon「Kindle」の成功と分析している。Kindleは、米国市場を中心に販売が開始され、雑誌や新聞なども含めた42万種類ものコンテンツを要した点がユーザーに受け入れられた。Kindle2は2009年2月の発売開始後、少しずつ価格を下げたことで普及。また、米Sonyが電子書籍端末「Reader」を複数機種市場に投入したことでユーザーの選択肢が増加した。なお、2009年時点で電子書籍端末に採用されている電子ペーパーのほぼ100%はマイクロカプセル方式である。
2010年は電子書籍端末としても使用可能な「iPad」(液晶パネル採用)が発売されたことで市場が活性化し、さらに電子書籍端末需要が拡大、市場規模は前年比約211%の710億円と見込む。マイクロカプセル方式以外のマイクロカップ方式、電子粉流体方式、その他液晶系方式等の電子ペーパーを搭載した電子書籍端末/電子ビューワーが2010年から順次製品化されており、市場規模は引き続き拡大する見込みとのこと。
2011年は、さらなる電子書籍端末の普及に向け、各電子ペーパーメーカーは端末価格「100ドル」を目指し、電子ペーパーモジュールの値下げを行うと見られる。電子ペーパー市場の大半を占める電子書籍端末向けの単価が下落することにより、2011年はそれまでと同様の大幅な伸びは期待できず、市場規模は前年比約126%の893億円と予測されている。なお矢野経済研究所では、「マイクロカプセル方式が価格で他方式を引き離すのではないか」と予測している。2012年は電子書籍端末向けでの低価格競争が一段落する見通し。市場規模は前年比約122%の1,090億円と予測された。
なお電子書籍端末向けの他、電子タグ、携帯電話端末、ICカード、サイネージ/電子POP、USBメモリ、腕時計、その他機器の表示部等でも電子ペーパーが採用され始めている。ただ、パネルサイズが電子書籍端末向けと比較して小さいこともあり、市場規模全体に占める割合は当面10%以下に留まる予測だ。
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