イー・アクセス、記者向け説明会で12Mサービス「ADSLプラス」の利点をアピール。長距離対応と干渉制御に自信を見せる | RBB TODAY

イー・アクセス、記者向け説明会で12Mサービス「ADSLプラス」の利点をアピール。長距離対応と干渉制御に自信を見せる

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イー・アクセス、記者向け説明会で12Mサービス「ADSLプラス」の利点をアピール。長距離対応と干渉制御に自信を見せる
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 イー・アクセスは12日、記者向けの技術説明会を開き、今秋提供予定の新しいアクセスサービス「ADSLプラス」の詳細を明らかにした。センティリアム「eXtremeDSL」を採用した同社のサービスは、他社の12Mbps ADSLサービスが採用している技術と比べて他回線への干渉が少なく、上り速度を犠牲にしないのが長所だという。

 eXtremeDSLは、速度をアップするeXtremeRateと、リーチ距離を拡大するeXtremeReachの2つの技術からなる。この2つは同一のチップセットに搭載されており、ネゴシエーション時に選択されるもので、イー・アクセスのADSLプラスサービスでは、ひとつのモデムが自動認識する形での提供となる。

 eXtremeRateでは、下り速度の上限が8Mbpsから12Mbpsにアップされるほか、リンク速度がすべての回線で100kbps〜1Mbps程度改善される。eXtremeRateでは、上り下りともAnnexCとまったく同じ周波数帯(上り25.875KHz〜138kHz・下り138kHz〜1.104MHz)を使用。周波数オーバーラップ(上り用帯域を下りにも使う)をせずに下り速度をアップするため、DSPのアルゴリズムの見直しを中心に改善が図られている。

 まず、S=1/2技術の採用で、これはアッカ・ネットワークスがすでに現行モデム向け10Mbpsサービスでファームを提供しているものと同様。さらに、DSPのアルゴリズムを変更し、ビン(※)あたりのデータ搭載量を現在の11〜12ビットから最大15ビットにアップして速度をアップした。また、帯域の上端・下端近辺ではこれまでビンあたりのビット数が下がっていたが、これをきちんと持ち上げている。このほか、あらたな誤り訂正符号「Trellis(トレリス)」の採用によるノイズマージンの改善したことでも速度アップを実現している。DSP以外では、A/Dコンバータの分解能をアップして量子化ノイズを抑え込んだ。
(※ G.992.1(G.dmt)のADSLは、帯域を249個の「ビン」に分割、周波数の低い方から6番ビン〜31番ビンを上り、33番ビン〜255番ビンまでを下りに使用している)

 また、eXtremeReachでは、現行のAnnexCよりも長距離、6〜7km程度までサービスが可能となる。現行では、5.5kmを超えるとAnnexCの動作に必要なTTR(ISDN同期信号)が検出できなくなり、6kmを超えるとG.hsによるハンドシェークができなくなる。さらに、6.2kmを超えるとバックグラウンドノイズによってデータ転送が実質的に不可能となるという。

 これを解決するため、eXtremeReachは制御信号を改良、TTRとパイロット信号を多重化して遠距離でもISDNに対する同期補足・追従を可能としている。データ転送については、下り信号を上りの帯域にオーバーラップさせて時分割で転送する「FBMオーバーラップ」を採用、遠距離通信を実現した。時分割している分だけ最大速度は遅くなる(連続通信時の37%)ものの、線路長が長くISDNと共存する環境での通信が可能というメリットがある。なお、近距離で通信環境が良好なら、ハンドシェーク時にeXtreamReachではなくeXtremeRateが採用されるので、大部分のユーザは「37%しか出ない」ことを心配する必要はない。

 これらの技術で、センティリアムが周波数オーバーラップの採用をeXtremeReachのみと限定的にしているのは、eXtremeDSLが自他の回線に悪影響をおよぼさないようにするためだ。オーバーラップを使用すると、漏話(※)が発生した場合、上りの通信に影響が起きたり、下りの通信速度アップができなかったりと行った症状が起きる。このため、AnnexC.xやAnnexA.exによる高速化には問題があるとし、オーバーラップによらない高速化を目指したという。(※:隣接する回線に信号が干渉すること。通話の場合、別回線の会話が聞こえることになる)

標準のAnnexCでは、下りと上りの帯域が分かれているため、信号が減衰していっても下りが上りに影響することはない


オーバーラップをすると、漏話発生時に下りと上りが影響しあう


 現在、12Mbpsサービスを予定している各社がお互いの通信方式(eXtremeDSL / AnnexC.x / AnnexA.ex)の影響等について検討を進めており、8月末にドキュメントを確定する予定となっている。しかし、特にAnnexA.exについてはピンポン方式のISDNとの干渉回避を考慮しないプロトコルでさらにオーバーラップをおこなうため、現行各サービスに「甚大な影響がある」と見られている。このためイー・アクセスは、他社との調整なしにAnnexA.exを実運用に持ち込んだビー・ビー・テクノロジーについて、総務省への苦情申し立てをおこなったという。12Mサービスについては、今後の各事業者、および総務省の動向が非常に注目されるといえるだろう。
《RBB TODAY》

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