

はじめに、小林副大臣(写真左上)が挨拶。政府の「日本成長戦略会議」でコンテンツが17の戦略分野の一つに位置づけられ、文部科学省が同会議の人材育成分科会の担当として、コンテンツ分野をはじめとする『高校から大学・大学院等を通した人材育成システム改革ビジョン』を取りまとめたことに触れました。その上で、クリエイター・アーティストが魅力あるコンテンツの源泉であり、才能を育む人材育成とコンテンツの海外展開のチャレンジを「クリエイター支援基金」を通して支援していく旨を述べました。

日本芸術文化振興会の杉浦久弘・理事長代理(写真左下)がクリエイター支援基金の概要を説明。複数年度にわたる支援など本基金の特徴や採択状況等について触れるとともに、海外映画祭の賞へのノミネートや欧州公演での高評価など成果事例を紹介しました。そして、文化芸術に携わる企業、団体、学校、関係省庁がそれぞれの役割分担のもと一体となってクリエイター・アーティスト等を育成・支援することの重要性を述べるとともに、創造活動によって生み出された作品等が国内外で花開き、心豊かな社会へ目指していけるよう、振興会としても引き続き支援に努めていきたいとの考えを示しました。
あいさつと基金の概要説明の後、「クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業」および「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」に採択された80プロジェクトの中から4団体が登壇。それぞれが推進するプロジェクトの概要や進捗状況、今後の課題・展望などについて発表しました。
緊急事態舞台芸術ネットワークは、プロデューサーの育成を通じて、日本の舞台芸術コンテンツにおける海外戦略の新たな土壌を構築する「SOIL Fellowship Program」の取り組みを発表。令和7年度はロンドン・エディンバラの2都市で、育成対象者が各国の舞台芸術関係者に作品を紹介するピッチイベントが実現したことなどの成果を報告しました。そして、日本の演劇文化のプレゼンス向上と作品流通の促進、ノウハウの蓄積と共有を目指すと展望しました。
東京芸術劇場は、世界で活躍するクリエイターの育成と、それを支える劇場スタッフの専門性強化を通じ、日本の現代舞台芸術を国際的に発信する拠点機能強化を目指す「TMTギア ―東京芸術劇場クリエイター支援プロジェクト」を紹介。令和7年度は、劇場スタッフによる海外公演でのOJTや海外舞台関係者等とのネットワーキング構築に加え、パフォーミングアーツと音楽分野においてワーク・イン・プログレスを実施したこと、映像メディアチームが舞台作品の8K映像収録と技術研修に取り組んだことなどを、実際に制作した映像を交えて報告しました。
キネマシトラスは「グローバル・アニメ・チャレンジ(GAC)」の取り組みを報告しました。若手人材に学びの場を提供し、日本のアニメ産業の牽引者育成を図る同プロジェクト。令和7年度は、国内でのワークショップのほか、海外アニメ・スタジオでのインターンを実施し、育成対象者は「つながる」「創る」「売る」などの側面から知見を得られたなどの成果があったと述べました。そして今後の課題として、育成対象者が所属するスタジオの理解と協力、海外展開に意欲あるスタジオへのサポートの充実などを挙げました。
滋慶学園は、XR事業を展開する企業「STYLY」と共同で進める、イマーシブ映像コンテンツクリエイター育成・輩出プロジェクト「Immersive Media Lab++」について、令和7年度はカリキュラム策定のための基礎の形成や海外視察に取り組んだことなどを紹介。育成対象者からハッカソンやアメリカ視察の成果などが述べられました。そして令和8年度から在学生向けの通年講義や海外研修の実施などを予定していると説明しました。
終了後には、登壇者らが一堂に会し、フォトセッション(写真上)を行ったほか、登壇団体への囲み取材なども実施しました。
なお、進捗報告会の詳細は後日公式サイトでお伝えします。
■別紙 令和7年度 各事業の主な成果・実績
「クリエイター・アーティスト等育成支援事業」クリエイター数:計544人、アドバイザー数:計301人
公演・展示等の数(国内):計163回
公演・展示等の数(海外):計165回
国内外で開いた公演・展示等の延べ入場者数:計873,761人
展開する国と地域:(合計23の国と地域)アイルランド/アメリカ/イタリア/インド/英国/オーストラリア/カナダ/シンガポール/スイス/韓国/中国/ドイツ/フランス/ベトナム/マルタ/台湾/香港/インドネシア/タイ/マレーシア/スペイン/アルゼンチン/ポルトガル
「文化施設による高付加価値化機能強化支援事業」
クリエイター数:計133人、アドバイザー数:計88人
公演・展示等の数(国内):計92回
公演・展示等の数(海外):計5回
国内外で開いた公演・展示等の延べ入場者数:計1,900,597人(海外は他のイベントの入場数含む)
展開する国と地域:(合計8の国と地域)韓国/中国/ドイツ/フランス/台湾/インドネシア/スロバキア/メキシコ
「クリエイター等支援事業 (育成プログラム構築・実践)」
各プロジェクトは、育成プログラムの構築や実践のための具体的な施策を実施。なかでも、教育関連の採択団体では、新学科やコースの設置に向けての整備が進展。施策の中で、グローバル人材の育成という観点から、世界各地における日本のコンテンツへのニーズ把握や教育概況の調査のための視察が多く実施され、渡航国はアフリカを含む全世界約15か国に及んだ。
育成対象者の選出が進められ、既に実践的なプログラムが始動したプロジェクトもあり、国内におけるセミナーやワークショップ開催のほか、海外派遣も実施している。
■公式サイト「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」採択プロジェクトページや、インタビュー動画など、内容充実
本基金の公式サイトは、新たに「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」採択プロジェクトのページを追加。また、クリエイター支援基金・育成対象者のインタビュー動画や、クリエイターの一覧ページなど、内容を充実させています。さらに、各プロジェクトが開催する様々な展覧会や公演など、最新情報を随時公開しています。
URL:https://creator.ntj.jac.go.jp
■文化芸術活動基盤強化基金(Japan Creator Support Fund)通称:クリエイター支援基金
文化芸術活動基盤強化基金(クリエイター支援基金)は、日本の優れたクリエイター・アーティストの育成等を弾力的かつ複数年度にわたり支援することを目的に、文化庁予算により令和6年に独立行政法人日本芸術文化振興会に設置された基金です。令和6年度より「クリエイター等育成・文化施設高付加価値化支援事業」を実施し、クリエイター等の育成およびクリエイターの活動・発信の拠点となる文化施設の機能強化を推進。令和7年度からは、「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」として、コンテンツ分野における産学官連携による教育機関の機能強化と、コンテンツ創造・海外展開のための実践的な社会人育成を支援する取組を進めています。
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