記
1.契約締結の背景と目的
再生医療は、これまで有効な治療法がなかった疾患に対して新たな治療の可能性を提供するものであり、国民の期待が高まっています※2。2025年9月時点で日本国内では21品目の再生医療等製品が承認されており、今後はiPS細胞由来製品等の新たな承認が想定されています※3。
社会インフラとして医薬品等の安定供給を担うアルフレッサグループは、再生医療等製品においても原料提供から医療機関への配送までの一貫した供給体制を確立し、「再生医療トータルサプライチェーンサービス(TSCS)」の構築を推進しています。また2023年3月、当社の子会社で医薬品等製造事業を行うアルフレッサ ファーマ株式会社は、ケイファーマとの間で筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)の治療薬としてのロピニロール塩酸塩の日本国内における開発権・製造販売権許諾契約を締結しています。
ケイファーマは、慶応義塾大学発のバイオベンチャーとして、中枢神経領域に特化したiPS創薬※4事業と再生医療事業を展開しています。同社のパイプラインの一つであるKP8011は、iPS細胞由来神経前駆細胞※5を用いた亜急性期脊髄損傷※6を対象疾患としています。今回の契約締結により、アルフレッサとケイファーマは、亜急性期脊髄損傷治療薬(KP8011)に係る治験製品および市販品の供給体制の構築に関する共同研究開発を行います。また当社グループは亜急性期脊髄損傷治療薬(KP8011)の市販品の日本国内における独占的卸売販売権、治験製品の日本国内における独占的な輸送・配送に係る権利を取得するとともに、アルフレッサとケイファーマはサプライチェーンに関連する事項に関する協働についても協議してまいります。
当社グループは、ケイファーマとの協業を通じて、再生医療等製品を一日でも早く患者様にお届けできるよう再生医療等製品の製造と流通の機能を一層強化し、安定供給体制の確立を加速してまいります。
※1 iPS細胞(induced pluripotent stem cell、人工多能性幹細胞):人間の皮膚や血液などの体細胞に特定の遺伝子を導入
することで人工的に作り出された、多能性(様々な細胞に分化できる能力)と自己増殖能(増え続ける能力)を持つ細胞
※2 出所:厚生労働省「再生医療・遺伝子治療等について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisei_iryou/index.html
※3 出所:一般社団法人 再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)「創薬力向上に向けた今後の方策について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001566551.pdf
※4 iPS創薬:患者様の細胞から作製した iPS細胞を用いて「疾患特異的iPS細胞」をつくり、治療法や治療薬を研究開発する
こと
※5 前駆細胞:最終分化細胞へ分化するための直前の細胞で、幹細胞と最終分化細胞の間に存在する細胞
※6 亜急性期脊髄損傷:脊髄損傷とは、脊髄が交通事故やスポーツなどでダメージを受け、切断されることで発症します。
ケイファーマは最も効果が期待できる事故等の2~4週間後の亜急性期を対象に研究開発を進めています。
2.契約の内容
(1)業務提携基本契約
1.アルフレッサとケイファーマは、亜急性期脊髄損傷治療薬(KP8011)に係る治験製品および市販
品の供給体制の構築に関する共同研究開発を実施します。
2.アルフレッサグループは、亜急性期脊髄損傷治療薬(KP8011)の市販品の日本国内における独占
的卸売販売権を取得します。
3.アルフレッサグループは、亜急性期脊髄損傷治療薬(KP8011)の治験製品の日本国内における独
占的な輸送・配送に係る権利を取得します。
4.アルフレッサとケイファーマは、亜急性期脊髄損傷治療薬(KP8011)のサプライチェーンに関連
する事項に関する協働について誠実に協議します。
(2)ケイファーマが発行する社債の概要

3.ケイファーマの概要(2025年10月31日現在)

4.日程
(1)アルフレッサ取締役会決議日 :2025年11月5日
(2)契約締結日 :2025年11月6日
(3)業務提携の開始日 :2025年12月3日(予定)
5.今後の見通し
本件による今期(2026年3月期)業績へ与える影響は、現時点では軽微であると見込んでおりますが、中長期的には当社グループの企業価値向上に資するものと考えております。
今後、本件に関して開示すべき事項が生じた場合には速やかにお知らせいたします。
以 上
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