世界最大級の小型SAR衛星コンステレーションで防衛・防災を支援する「ICEYE」(アイサイ)は、時間的制約の厳しい任務を支援するサブスクリプション型商用SAR製品「Tactical Access」(タクティカル アクセス)の提供を開始します。本サービスは、撮像枠の事前確保、撮像後1時間以内の画像納品、そして国内でのデータ処理オプションを備えた、唯一の商用SAR製品です。これにより、防衛・情報機関などへの重要な衛星画像を迅速かつ確実に提供することが可能となります。

提供背景
従来の商用衛星タスキングモデルは「First-In, First-Out(FIFO)」の先入先出法に基づき、先着順に撮像することが主流です。この方式は多くの用途に適している一方で、緊急の観測ニーズには十分に対応できず、突発的な情報要求や時間的制約の大きい観測目標を持つ顧客向けには柔軟性を欠いています。「Tactical Access」は、こうした課題を解決するために設計された新たな仕組みであり、顧客に対してあらかじめ撮像枠を確保することで、必要なタイミングで優先的に撮像を実施し、迅速な画像提供を可能にします。短時間でのタスキング、高い運用柔軟性、そして迅速なデータ取得を求める大規模な年間撮像ニーズを持つ顧客向けに、サブスクリプション型サービスとして提供します。
Tactical Accessについて
Tactical Accessは、撮像から納品までの全工程を短縮・最適化し、柔軟かつ迅速にSAR衛星画像を提供できるように設計されており、運用要件に応じて2種類のオプション選択が可能です。
第一のオプションは、アンテナおよびICEYE独自のEdgeプロセッサで構成される専用地上局を用いた直接的なダウンリンク方式です。これにより、衛星からのデータ受信後わずか数分で画像生成と納品が可能となり、撮像データを国内で保管・処理することが可能です。この機能は国家安全保障分野など、高い情報保全性を求める運用に対応するものです。
第二のオプションとして、専門の地上局を設置しない場合でも、安全性が確保されたクラウド経由で画像を納品するオプションも選択可能です。この場合においても、撮像完了後数時間以内に処理済み画像を受け取ることができ、運用上の即応性を維持します。
またICEYEは、「Tactical Access」を導入した顧客に対して、第4世代小型SAR衛星「Gen4」による最大16センチメートルの高解像度画像や、200km×300kmをカバーする広域モード「Scan Wide」など、ICEYEが保有する高解像度のSAR衛星を同時に提供します。これらのサービスは、直感的に操作できる専用ユーザーインターフェースを通じて提供され、大量の撮像計画を効率的に管理することができます。
ICEYE データ製品担当 シニア・バイス・プレジデント ジョン・カートライト
「Tactical Accessは、時間に極めて敏感なミッションを持つお客様のために設計された製品です。防衛および情報分野の顧客は、迅速なタスキングと柔軟な計画性、そして短時間での納品を求めています。本サービスは、そうした要求に応えると同時に、ICEYEが提供する高解像度のSAR衛星画像を確実にお届けするものです。Tactical Accessは、即応性と柔軟性を両立させた商用SAR市場における新たな基準となるでしょう。」
ICEYEについて
ICEYE(アイサイ)は、フィンランドに本社を置く、小型合成開口レーダー(SAR)衛星のリーディングカンパニーです。世界最大級の合成開口レーダー(SAR)衛星コンステレーションを所有するICEYEは、客観的でほぼリアルタイムの洞察を提供し、昼夜を問わず、また厳しい環境条件下でも行動可能なデータへの無比のアクセスを確保します。
世界において政府や商業産業の信頼できるパートナーとして、ICEYEは防衛・情報、保険、自然災害対応・復興、セキュリティ、海事モニタリング、金融などの分野でインテリジェンスを提供し、コミュニティのレジリエンス(回復力)や持続可能な開発に貢献する意思決定を支援しています。
日本法人の他、ICEYEはフィンランド、ポーランド、スペイン、英国、オーストラリア、UAE、ギリシャ、米国に拠点を持ち、国際的に事業を展開しています。900人以上の従業員が、地球観測における「真のデータ供給者」となることで地球上の生活を改善するという共通のビジョンに基づき活動しています。

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