
SPACECOOLを施工した通信局舎
導入経緯
QTnetでは、夏季の通信局舎内部の温度上昇によるアラートの発生や、空調電力消費量の増大が課題となっていました。従来は、遮熱塗料による対策を行っていましたが、試験的に一部通信局舎の天面および全ての側面にSPACECOOLを導入しました。その結果、通信局舎内部の温度を最大5.3℃低減する効果が確認できたため、16ヵ所の通信局舎に導入を行いました。
参考プレスリリース:https://spacecool.jp/news/20240402/
電気使用量の削減効果
SPACECOOL導入による通信局舎内温度の低下により、空調エネルギーの削減が図られ、電力使用量において以下のとおり削減効果が確認できました。
下表は、QTnetが作成した、2022年10月~2024年9月までにおける、電力使用量(1日あたりの平均値)を月ごとに比較したものです。SPACECOOLを導入した2023年9月15日から電力使用量削減の効果が現れ、特に日射量が多く、7月に最大10.3%の削減率を確認できるなど、気温が高まる4月~8月にかけて大きな効果を得られたことを確認できました。


SPACECOOL導入前後の電力使用量の比較(QTnet作成)
QTnet永山様(執行役員 ネットワーク技術本部 ネットワーク設備部長)からのコメント
2023年9月に『SPACECOOL』を試験導入の結果、局舎内の温度管理が大幅に改善され、冷房の設定温度を最大4℃上げることができました。
さらに今回、年間を通しての検証を行い、電力使用量の削減(最大10.3%)や局舎設備アラートの発生状況減少など、運用コストの大幅な削減効果が確認できました。
この成果は、単にコスト削減にとどまらず、地球環境への配慮という観点でも大きな意義があります。今後も新局や既存局への導入を積極的に進め、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。
放射冷却素材「SPACECOOL」について
直射日光下において、太陽光からの熱をブロックし熱吸収を抑えるだけでなく、熱を「大気の窓⁽*⁾」の波長域の赤外線として宇宙に逃がすことで、ゼロエネルギーで外気温よりも温度低下することを可能にした世界最高レベルの放射冷却性能を持つ新素材です。
(*)光には、大気を通過しやすい(透過率が高い)波長と大気に吸収されやすい(透過率が低い)波長が存在しています。光エネルギーの形で熱を宇宙空間に輸送するには大気の透過率が高い波長が優れており、特に透過性が高い波長8-13μmの波長範囲を「大気の窓」と呼びます。

SPACECOOLの原理イメージ
※「SPACECOOL」は登録商標です。
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