ファンが8万票を超える支持で勝ち取ったはずの“仕事”だ。
しかし、所属事務所の判断によって、実現しない可能性が高まっている。
9人組ボーイズグループAHOF(アホプ)をめぐり、ドラマOSTへの参加をかけたファン投票の結果と、所属事務所F&Fエンターテインメントの対応が波紋を広げている。
AHOFは先ごろ、KBS 2TVの新週末ドラマ『愛が来る』(原題)の公式OST歌唱者を選ぶ「OST MATCH POINT」シーズン2のアイドル部門で最終1位を獲得した。
投票には23組が参加。AHOFは予選を3位で通過したものの、得票がリセットされた決選で8万505票を集め、n.SSignやXODIACを逆転した。
投票結果を伝えた報道では、優勝したAHOFが同作の公式OSTを発売し、録音やリリースの日程は後日発表されると説明されていた。
ファンからすれば、自分たちの投票によってAHOFに新たな仕事を届けられたはずだった。
「アーティストの参加は不可能」

ところが8月6日、F&Fエンターテインメントは、AHOFのOST参加は不可能だとの立場を明らかにした。
所属事務所は公式声明で、「当社は、今回のOSTに関して、事前にいかなる提案や協議も受けていない」と説明。さらに、「今回の投票については、候補者を選定する段階から当社との協議は一切行われていなかった」と伝えた。
そして、「当社との事前協議なしに、アーティストの参加を前提として実施された投票およびイベントについては、その結果にかかわらず、アーティストの参加は不可能である」と強調した。
事務所の主張には一定の正当性がある。
第三者が所属事務所に断りなくアーティストを候補に入れ、ファン投票の結果だけで仕事を確定させることはできない。スケジュールやコンディション、契約条件を管理する事務所として、正式な手続きを求めるのは当然ともいえる。
むしろ、所属事務所との合意がないまま、「優勝すれば公式OSTを歌う」とファンに受け取られる形で投票を進めたのであれば、主催側の進め方にも大きな疑問が残る。

たしかに、所属事務所の言い分は理解できる。
ただ、それだけでファンが納得できるわけではない。
事務所の公式発表後、SNSには「AHOFの機会を奪わないでほしい」「ファンはこのチャンスのために懸命に投票した」「私たちが費やしたお金と時間はどうなるのか」といった反発の声が相次いだ。
ファンにとって、今回の8万505票は単なる数字ではない。
順位を確認し、周囲に参加を呼びかけ、予選3位からの逆転を後押しした。その先にAHOFのOST参加があると信じていたからこそ、多くのファンが時間や労力を注いだのだろう。
それが1位確定後になって「参加できない」と告げられれば、納得できないという感情が生まれるのも無理はない。
特にファンからは、AHOFの韓国内での知名度を高める機会を、事務所がみすみす手放しているのではないかという不満も出ている。
ドラマOSTは、作品を通じてグループを知らなかった視聴者にも、その名前や歌声を届けられる仕事といえる。新人グループにとって、その価値は小さくない。
だからこそファンは、事務所が参加不可能と結論づける前に、主催側との再協議やスケジュール調整を試みたのかと問いかけている。
OSTを歌う機会だけが失われるのではない
もっとも、現時点で明らかになっている事務所の公式見解は、日程が合わないという説明ではない。

問題視しているのは、事前協議も同意もないまま、AHOFの参加を前提として投票が行われたという手続きそのものだ。
つまり、今回の問題は単純な「事務所対ファン」では終わらない。
所属事務所に確認せず投票を進めたとされる主催側、手続きを理由に参加を拒んだ事務所、そして、その仕組みを信じて投票したファン。三者の間で、責任の所在が宙に浮いている。
とはいえ、最も大きな負担を背負ったのは、事情を知らされないまま投票に参加したファンではないだろうか。
所属事務所がこのまま拒否を貫くのか。それとも、ファンの反発を受けて主催側との協議に動くのかは、まだ分からない。
ただ、今回失われかねないのは、OSTを歌う機会だけではない。
投票によって推しの未来を変えられるという、K-POPファンダムを支えてきた感覚そのものが揺らいでいる。次に同じような投票が行われたとき、ファンは再び時間や費用を投じようと思えるだろうか。
AHOFを応援するために積み上げられた8万505票。その重さに、事務所と主催側の双方がどう向き合うのかが問われている。
■【写真】日本人メンバーも涙…AHOF、デビュー7日で音楽番組1位の快挙!



