タレントのパク・ミソン(58)が乳がん闘病中に健康食品の共同購入を行ったことで、予想以上に大きな論争に巻き込まれた。
「主治医と相談してほしい」という注意喚起や、「良いものだと思って分け合った」という釈明にもかかわらず、一部のネットユーザーからは「むしろ無責任だ」との指摘が相次ぎ、批判の声が強まっている。
一方で、回復過程における日常復帰として受け止めるべきだという擁護の声も続いており、世論は拮抗している。
健康食品の共同購入を呼びかけ議論に
パク・ミソンは12月20日、自身のSNSに「病気をして一番大事だったのは、きちんと食べることだった。でも良いものを選んで食べるのは、思った以上に簡単ではなかった」と書き、ブルーベリー濃縮液の共同購入を告知した。
実際に商品を口にする様子を収めた動画も公開した。これを見たファンからは「ストレスになることはせず、治療に専念してほしい」「まずは休養ではないのか」といった心配の声が寄せられ、パク・ミソンは「あまりに何もしていなくて退屈だった」「今はとても幸せだ」と、共同購入を始めた理由を率直に明かした。

しかし反応は次第に厳しさを増した。「何不自由のない立場の人が、今この状況で商売をするのか」「抗がん治療中にこうした商品を売るのは残念だ」「乳がんにはベリー類が良くないと聞いた」「応援していたのに、結局は共同購入なのか」といった批判が相次いだ。
パク・ミソンはコメント欄で直接やり取りしながら、「抗がん治療はすでに終わり、今は休養期だ」「私は食べたが、患者の皆さんは必ず主治医と相談してほしい」「ずっと何もせずにいるのも飽きてしまって」と説明した。
だが、この発言をきっかけに、別の論争が再燃した。
一部のネットユーザーは「影響力のある人が『相談してほしい』と言うだけでは無責任だ」「自分は良かったと言いながら、判断を患者側に丸投げしているように見える」と懸念を示した。
特に、がん闘病という繊細な状況にある同じ病の患者にとっては、「私は食べて良かった」という体験談と、「主治医に相談してほしい」という助言が同時に発せられることで、かえって混乱を招きかねないとの指摘も出ている。抗がん治療の過程で食事制限や肝機能の数値に悩む人にとって、有名人の体験談は単なる情報以上の影響力を持つからだ。
一方で、擁護の声も少なくない。「生涯まじめに生きてきた人なのだから、やりたいことをさせてあげてほしい」「良いものを分かち合いたいという気持ちだったのかもしれない」「回復しながら日常に戻ろうとする姿が好ましい」といった応援も続いている。
論争が拡大すると、パク・ミソンは12月21日にあらためて立場を表明した。「心配し、叱ってくださって感謝している。治療が終わり、ゆっくり日常に復帰しようとして始めたことだが、不快に感じさせてしまったなら申し訳ない」と頭を下げた。
その一方で、「たしかに良いものだと思って分け合った」として、共同購入自体は続ける意向を示した。ただし、「患者の皆さんは必ず主治医と相談したうえで判断してほしい」と重ねて呼びかけた。

しかし、この点がさらに反応を二分する結果となった。「良いものだ」という強調が、かえって逆風を招いたという見方だ。
世間の怒りは、商品を販売した行為そのものよりも、「信頼」の問題から生じているという空気が広がっている。
パク・ミソンは単なる販売者ではなく、乳がん闘病を公表し、多くの人と回復の時間を共有してきた存在だ。「病気をして一番大事だったのは、きちんと食べることだった」という言葉は、個人的な体験談として受け止められやすい。闘病経験が公開された瞬間、その語りは個人の領域を越え、信頼の領域へと移行する。信頼が生まれれば、それに伴う責任も大きくなる。
今回の論争で一部が感じた違和感は、まさにこの点にある。回復を知らせる日常復帰そのものではなく、その方法が「健康を前面に出した販売」に見えたことへの戸惑いだ。もちろん、共同購入は個人の選択であり、私生活の一部ともいえる。
しかし、有名人という立場と、がん闘病という繊細な状況が重なったことで、パク・ミソンの選択はより厳しい基準で見られることになった。
闘病の最中に始めた共同購入をめぐり、「回復に向けた日常復帰」と見る視線と、「公人としての責任をより深く考えるべきだった」という視線が対立するなか、パク・ミソンの行動をめぐる世論はいまなお分かれている。
「何を売ったのか」よりも、「どのような信頼関係の上に立っていたのか」が問われている、そんな空気が色濃く漂っている。
(記事提供=OSEN)
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