BIGBANGのリーダーでソロアーティストとしても活動するG-DRAGONが、韓国政府から「玉冠文化勲章」を授与される。
同勲章は、韓国文化の発展に寄与した人物に贈られる最高位の栄誉で、金冠(1等級)・銀冠(2等級)・宝冠(3等級)・玉冠(4等級)・花冠(5等級)の五段階に分かれている。G-DRAGONが受章するのは、4等級の玉冠だ。主管の文化体育観光部は「K-POPとポップカルチャーを通じ、韓国文化の国際的地位を高めた」と理由を説明している。

同時に受章するのは、ハリウッド作品でも知られる俳優イ・ビョンホン(宝冠)と、“四季シリーズ”の『春のワルツ』『夏の香り』『秋の童話』『冬のソナタ』に出演したキム・ヘスク(銀冠)。前者は55歳、後者は69歳と、どちらも大ベテランだけに、G-DRAGONの37歳という若さでの受賞は際立つ。
もともと文化勲章は、演出家や詩人、学者、美術家など、いわゆる“お堅い文化人”を中心に授与されてきた。これまでも俳優や歌手など芸能人への受章もあったが、年齢的にベテランが多く、長年業界に寄与してきた功労を表彰する意味合いが強かった。
そのため、ファッション・アート・ライフスタイルと、“若者”に多大な影響を与えてきたG-DRAGONが国家から文化功労者として認められたこと自体、韓国文化全体の価値観が変化した証とも言えるだろう。
法改正の声も出たBTSの快挙
その流れを大きく変えたのがBTSだ。2018年、彼らはK-POPアイドルとして初めて「花冠文化勲章(5等級)」を最年少で受章し、「大衆文化が国家に認められた瞬間」と評された。韓国がK-POPを国策と位置づける象徴的な出来事でもあった。
さらに、この受章は兵役制度の議論にも影響を及ぼした。オリンピックやアジア大会の入賞者に認められる特例が“大衆文化人”には適用されないことから、法改正を求める声が高まったのだ。最終的に改正は見送られたが、BTSが国家制度にまで影響を与える存在であることを示す、象徴的な出来事だった。
BTS以降、文化勲章は“お堅い”分野にとどまらず、ポップカルチャー全体を対象とする制度へと徐々に変化しており、今回のG-DRAGONの受章は、その流れの延長線上にあると言える。

ちなみに、同勲章には日本人受章者も複数いる。なかでも最も知られているのが、創価学会名誉会長の池田大作氏だ。2009年、韓国での文化交流や教育・平和活動の功績が認められ、「花冠文化勲章」を授与された。韓国SGI(創価学会インターナショナル)の和光新聞社の名誉最高顧問として、社会の発展に寄与した功績を讃えたものと説明されている。
ポップスターから宗教家まで。今後、どのような受章者があらわれるのか、注目してみるのも面白いのではないだろうか。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
◇G-DRAGON プロフィール
1988年8月18日生まれ。本名クォン・ジヨン。2006年にBIGBANGのメンバーとしてデビュー。BIGBANGのリーダーで、グループ内ではラッパーを担当している。作詞・作曲、そしてプロデュースのスキルにも定評があり、数多くの楽曲をヒットさせた。2019年10月に除隊。2022年4月に『Still Life』を発表して約4年ぶりにカムバック。2023年6月にYGエンターテインメントとの契約が終了し、同年12月にギャラクシー・コーポレーションと専属契約を締結した。