大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)が今季初のクオリティスタート(QS/6回以上自責点3以内)を達成し、かつての“二刀流”の姿を取り戻した。ポストシーズンではドジャースの“先発1番手”を任される見通しだ。
大谷は9月24日(日本時間)、敵地チェイス・フィールドで行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で先発登板し、6回を投げ5被安打、8奪三振、無失点の圧巻投球を披露。今季初のQSに成功した。
2023年10月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、以降は打者としてのみ出場を続けていた大谷。投手としては復帰を見据えて慎重にリハビリを重ね、今年6月17日のサンディエゴ・パドレス戦で約2年ぶりの登板を果たした。以降、8月28日のシンシナティ・レッズ戦では5回1失点で復帰後初勝利を挙げ、今回の登板でついにQSをマークした。
『MLB.com』によると、ドジャース率いるデーブ・ロバーツ監督は「これが大谷の最後の先発登板だ。これからはポストシーズンの準備をしなければならない。残りの試合は打者に専念させる」と伝えた。大谷の今季投手成績は1勝1敗、防御率2.87、62奪三振だ。
この日の投球は完璧に近かった。2回まで相手打線を三者凡退に抑え、3回は先頭打者に内野安打を許したものの、続く3人を連続三振に仕留めた。5回にも再び安打を浴びたが併殺で切り抜けると、6回二死一、二塁のピンチも無失点で抑え、自身の役目を終えた。

『MLB.com』は「最近はドジャースのリリーフ陣が不安定で、大谷に長いイニングの消化が求められていた。当初、ロバーツ監督は5回までの登板を予定していたが、大谷の希望で6回まで投げた」と報道。「エースの役割を十分果たした。残り5試合でチームは大谷とともにポストシーズンを準備する」と評価した。
ロバーツ監督は「大谷は素晴らしい投球をしてくれた。まだ確定ではないが、ポストシーズン初戦の先発として大谷を考えている」とコメント。“大舞台の初戦”で、大谷が再び先発として登板する可能性が濃厚となっている。