FC町田ゼルビアのMFナ・サンホが、アジアの舞台で実現した古巣対決を感慨深く振り返った。
町田は9月16日、ホームの町田市立陸上競技場(町田GIONスタジアム)で行われたAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグフェーズ第1節でFCソウルと対戦し、1-1で引き分けた。ナ・サンホはMF相馬勇紀と3-4-2-1の2シャドーを組んで先発出場、後半18分までプレーした。
FCソウルは町田移籍前の2021~2023年に在籍した古巣で、同クラブでリーグ戦通算104試合29G14Aの数字を積み重ねた。町田としても、自身としても初挑戦となるACLの初陣で激突したFCソウルとの一戦をナ・サンホは「いつもと変わった感覚はありました。人生初のACLで、その初戦の相手が前所属チームのFCソウルというのが感慨深かったです」と振り返りつつ、「それでも、勝ちたかった気持ちは同じでした」と悔しさを滲ませる。

「試合に向けて準備していたことはあったのですが、それが上手く行かず惜しい部分があります。ホームで負けなかったことに安心感はありますが、勝てていればもっと良い試合になったと思います」
前半開始2分にはファーストシュートで決定機。敵陣で相手DFの処理ミスを奪い、エリア内に侵入して左足を鋭く振り抜いたが、枠内に飛んだ一発はGKチェ・チョルウォンの好セーブに阻まれた。「良いチャンスが来たと思ってシュートを狙いました。入ったと思いましたが、チョルウォンさんがよく防いだと思います」と、FCソウルで同僚だった相手守護神を称えた。
この日はビジター応援席が全席完売。アウェイでの平日ナイターにもかかわらず多くのFCソウル・サポーターが来日し、現地で選手に熱い声援を送っていた。「(FCソウル時代に)慣れ親しんだチャントをたくさん聴くことができて、かえって自分の中で沸き上がる思いがありました。もちろん、町田サポーターの応援を聴いたときも沸き上がるものがあったので、自分自身にとってはプレーしやすい試合でしたね」と、ナ・サンホは両軍サポーターが生み出した熱気にも言及した。


後半35分に同点弾をマークし、試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POTM)に選ばれたDF望月ヘンリー海輝にはお祝いのコメントも。「彼自身のキャリアにおいてとても素晴らしい瞬間だと思うので、おめでとうと伝えたいです。この先さらに優れた選手に成長できると思いますし、十分に能力の高さを見せています。満足することなくACLの舞台でも良いパフォーマンスを披露できれば、ヨーロッパなど海外にも進出できるでしょう。今後もACLやリーグ戦で好調ぶりを発揮してくれると嬉しいですね」とエールを送っていた。
(取材・文=姜亨起/ピッチコミュニケーションズ)