深刻な低迷にあえぐ女子バレーボール韓国代表が、復活のために新たな道を模索している。
韓国は今年のFIVBバレーボールネーションズリーグ(VNL)で最下位に沈み降格。来季VNL出場権を失った。2021年東京五輪でベスト4に輝いた栄光も過去のもので、今や五輪出場を望むのは現実的に難しい。今後、韓国が国際大会に出場する機会はさらに減少するものとみられている。
こうした厳しい現実を受け、韓国バレーボール協会(KVA)が“挽回作”として主要事業に掲げたのが「韓国での国際大会実施」だった。それが「コリア・インビテーショナル」であり、昨年は堤川(チェチョン)で男子大会を開催。今年は8月12日から17日にかけて晋州(チンジュ)で女子大会を開いている。
12日、晋州室内体育館で行われた韓国対アルゼンチンの現場は熱気にあふれていた。韓国バレー界の主要関係者が集い、女子代表の試合を観戦していた。

今大会で重要なのは結果よりも「開催そのものの意義」だ。会場では「コリア・インビテーショナル」開催を歓迎する声が多く聞かれた。
正官庄レッドスパークスのコ・ヒジン監督は「このような大会は毎年やるべきだと思う」と提言。「世界選手権に出場するチームにとっても、パフォーマンスの確認や実力向上の場になる。韓国の選手にとっては成長のきっかけになる」と意義を強調した。
選手も考えは同じだ。韓国代表キャプテンのカン・ソフィ(韓国道路公社ハイパス)は「VNLに出場できない分、アジアのチームと対戦することが増えると思う。だからこそ、欧州勢との試合は貴重な機会になる。こうした試合を通じて、“自分たちのバレー”を見つけ出さなければならない」と力を込める。

今大会にはFIVBランキング5位の日本をはじめ、チェコ(13位)、フランス(15位)、アルゼンチン(17位)、スウェーデン(26位)、39位の韓国より格上のチームが参加している。日本は1.5軍のメンバー構成だが、他のチームは世界選手権を見据えて大半を主力で構成している。
FIVBが主催する公式大会ではないものの、コートには本番さながらの緊張感が溢れており、韓国にとっては格好のスパーリングの場となると言って良い。
韓国国内におけるバレー人気向上や競技活性化の観点からも、国際大会の開催は必須だ。SBSスポーツで解説を務めるチャ・サンヒョン氏は、「サッカーは定期的に国内でAマッチを開催している。バレーもオフシーズンにこうした国際大会があれば関心を高め、人気向上にも繋がる」と語っていた。

なお、本日は13時よりスウェーデン対アルゼンチン、16時より韓国対フランス、19時より日本対チェコの試合が行われる。韓国対日本は来る16日14時に行われる予定だ。