かつてガンバ大阪で活躍した元韓国代表FWファン・ウィジョ(32)が、トルコのアランヤスポルと再契約した。女性との性行為映像を同意なく撮影し有罪判決を受けている中で、欧州で選手としてのキャリアを続ける。
アランヤスポルは8月5日(日本時間)、公式サイトを通じて再契約を締結したファン・ウィジョ含む5選手との調印式を実施したことを発表した。
アランヤスポルのハサン・チャヴシュオール会長は「新戦力の補強だけでなく、既存戦力を維持してチームの安定性を高めている。新シーズンも無事に戦い抜けるよう全力を尽くす」とコメント。ファン・ウィジョも「クラブと会長に感謝している。良いシーズンになると信じている」と意気込みを語った。
ファン・ウィジョは今年6月30日をもってアランヤスポルとの契約が終了し、一時はフリーエージェントとなっていた。ただ、アランヤスポルが7月12日に2年の契約延長が発表。そして今回、調印式が行われていた。
ファン・ウィジョは2024年2月にノッティンガム・フォレストからアランヤスポルにレンタル移籍し、同年9月に完全移籍加入。2024-2025シーズンはリーグ戦30試合で7ゴール1アシストを記録した。

かつてはガンバ大阪所属で2018年のJ1リーグ年間ベストイレブンにも選ばれたファン・ウィジョ。2019年夏から現在まで欧州でプレーを続けているが、一方でプライベートでは“問題”を抱えている。
ファン・ウィジョは2022年6月から9月までの間、4回にわたり女性2人の同意なくプライベートの性行為映像を違法撮影した容疑で物議を醸した。2023年6月に「ファン・ウィジョの元恋人」を名乗る人物がSNS上で一連の主張を暴露したのがきっかけで、ファン・ウィジョも昨年10月の初公判で罪を認めた。
そして、今年2月14日の1審判決で懲役1年、執行猶予2年の有罪判決を言い渡された。地裁は判決に際し、「計4回にわたり携帯電話で性関係を動画で撮影をするなど、罪の質が良くない。被害者も精神的にショックを受けており、被告人を許していない」と指摘した。
ただ、この判決をファン・ウィジョ側、検察側いずれも不服とし、それぞれ控訴。今年7月24日に控訴審の結審公判が行われ、宣告期日は9月4日を予定している。ファン・ウィジョ側は「懲役刑が確定すれば国家代表の資格を失い、選手生活を続けることも難しい」とし、減刑を訴えている。
なお、「元恋人」を名乗ってファン・ウィジョの撮影映像を無断で流出したのは、ファン・ウィジョの実兄の妻だった。彼女も昨年9月、性暴力処罰法上のカメラなどを利用した撮影・頒布(はんぷ)などの容疑で、最高裁で懲役3年の実刑判決を言い渡されている。

そんなファン・ウィジョをめぐって、他クラブなどから獲得オファーはなかったという。彼にとっては、アランヤスポルとの再契約が唯一、選手生活続行のために残された道だった。
アランヤスポルとしては、リーグに十分に適応し、実績もある主力アタッカーを手放すリスクよりも、再契約によって得られる戦力維持のメリットを甘受したものとみられる。
(記事提供=OSEN)
◇ファン・ウィジョ プロフィール
1992年8月28日生まれ。韓国・全羅北道出身。身長185cm。大韓民国のサッカー選手で、元サッカー韓国代表。2013年に韓国Kリーグの城南一和天馬でデビューし、2017~2019年はJリーグのガンバ大阪でプレー。J1通算59試合23ゴールを記録し、2018年はJ1年間ベストイレブンに選ばれた。2019年夏にボルドー移籍を通じて欧州進出を果たし、2022年夏にノッティンガム・フォレストへ移籍。レンタルでオリンピアコス、FCソウル、ノリッジ・シティ、アランヤスポルでプレー。2024年夏にアランヤスポルへ完全移籍加入し、2024-2025シーズンはリーグ戦30試合7ゴール1アシストを記録した。