飲み会の席で部下にセクハラをした上司に対し、韓国の裁判所が実刑判決を言い渡した。
大田(テジョン)地裁は3月27日、強制わいせつの罪に問われた40代男性Aに対し、懲役6カ月の実刑と40時間の性暴力治療プログラム履修を命じた。
Aは昨年、会社の飲み会の場で部下のBに抱きつくなどして、性的な嫌がらせを行ったとされている。
裁判所は判決理由について「被告人は被害者に対して性的な言動を繰り返しただけでなく、被害者を性的対象として扱い、他チームのメンバーにも下品な発言をしていた」と指摘。それとともに「被害者に“被害者らしさ”を求める発言までしており、真摯に反省しているとは認めがたい」と厳しく断じた。

さらに、「被告人は判決の前日に突然、示談金を供託したが、被害者はこれを受け取ることを拒否し、厳罰を求める意向を示していた点も考慮された」と説明した。
本件でBの代理人を務めた法律事務所デリュンのキム・ジョンボム弁護士は、「Bは勇気を出して社内のセクハラ問題を告発したが、その結果、差別的な扱いや不利益を受け、最終的には不当解雇という二次被害まで受けた」と明かした。
また、「裁判の過程でもAは、まともに謝罪せず、“大したことではないのに被害者が大げさに騒いでいる”などと発言するなど、反省がなかった。裁判所が実刑を選択したのは、こうした点を重く見たからだと考えられる」と述べている。