プレーできないチームに残る理由はない。パリ・サンジェルマンの韓国代表MFイ・ガンイン(24)の“不遇”に母国紙が不満を示している。
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4月30日(日本時間)、英ロンドンのエミレーツ・スタジアムで行われたアーセナルとのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝第1戦で、イ・ガンインはベンチ入りこそしたが最後まで出場機会を与えられなかった。
PSGを率いるルイス・エンリケ監督は、この試合で交代枠を3枚しか使わなかった。後半中盤にFWブラッドリー・バルコラ(22)とFWゴンサロ・ラモス(23)、終了直前にはMFウォーレン・ザイール=エメリ(19)を投入するのみで、イ・ガンインに声がかかることはなかった。
これでイ・ガンインは、CLにおいて直近3試合連続で欠場中だ。準々決勝のアストン・ヴィラ戦も2試合とも出番がなかった。国内リーグでは時折プレーしているが、PSGが最も重要視するCLでは“戦力外レベル”の扱いを受けている。
試合は前半4分のFWウスマン・デンベレ(27)のゴールでPSGが1-0と勝利。ホームで迎える第2戦で引き分け以上であれば決勝進出が決まる有利な状況となった。
イ・ガンインの不遇は韓国サッカーの損失?
チームとしての結果は申し分ないが、現在のイ・ガンインはもはや「チームに必要のない選手」に分類されていると言って良い。
CLにおいて、エンリケ監督が交代枠をフル活用することは少ない。「イ・ガンインを投入するより、体力を消耗した先発メンバーを使い続ける方がマシ」と判断しているようなものだ。
仮にPSGがCL決勝まで進んだとしても、ピッチに立てなければ、選手本人にとってその成果は意味を持たない。何より、途中出場すらできない現状ではチームに残る理由も見出せない。2001年生まれのイ・ガンインはまだ24歳になったばかり。ベンチを温めるにはあまりにも時間がもったいない。

かといって、イ・ガンインが出場した際に不振なパフォーマンスを見せたわけではない。彼は出場するたびに創意性あふれるプレーを披露し、自身の強みを惜しみなく見せつけてきた。
ただ、それらもすべて“無駄”だ。エンリケ監督の頭の中には確固たるベストイレブンがいる。加えて、途中出場させる選手もほぼ限られている。
PSGでベンチ生活が続くイ・ガンインには、イングランドの複数クラブが関心を寄せているという。
今夏はイ・ガンインにとって新天地を求めるべき時期と言って良い。現状のままでは未来はない。代表でも中心を担うべき存在が、試合に出られないまま時間を浪費するのは韓国サッカー全体にとっても大きな損失だ。
◇イ・ガンイン プロフィール
2001年2月19日生まれ。韓国・仁川広域市出身。身長174cm。大韓民国のサッカー選手で、サッカー大韓民国代表。幼少期に出演したKBSサッカーバラエティ番組『飛べ、シュットリ』で類まれなる才能を発揮し、“神童”として一躍注目を集めた。2011年にスペインに渡りバレンシア下部組織に入団し、2018年10月にトップチームで公式戦デビュー。2021年夏にフリーでマジョルカに加入、2023年夏にフランスのパリ・サンジェルマンに完全移籍。マジョルカ時代の同僚である日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)とは同じ2001年生まれで、普段から仲が良いことで知られている。