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競争激化するMVNO市場、「mineo」は“ユーザーとの共創”で勝負へ

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経営本部副本部長の橘俊郎氏
  • 経営本部副本部長の橘俊郎氏
  • モバイル事業戦略グループ グループマネージャーの津田和佳氏
  • ブランドステートメント「Fun with Fans!」
  • ブランドステートメント「Fun with Fans!」に基づき、”楽しい”という新たな価値軸を提供
  • MVNOの認知が進む一方で、導入を検討するユーザーは未だ少ない
  • MVNO市場が拡大する中で、マジョリティー層の利用も増えると予測
 その点ではMVMOの促進に一役を担うといわれる「SIMロック解除」だが、これについては対応端末が未だに少ないというのが実感だという。auとソフトバンクでは契約から6か月が経過しないと利用できないので、今年春以降に徐々に浸透していくのではという見通しだ。

 一方で、橘氏の話にもあった、総務省のタスクフォースの話についてだが、これはMVNOにとって追い風ととらえている面もあるという。

「ライトユーザー向けの料金値下げにはヒヤヒヤしていましたが、今のところは想像していたような大きな値下げはありません。むしろ、販売奨励金の件で端末を長く使い続ける人が増えると予想されるので、そのままSIMカードだけ入れ替えて使い続けられることをアピールしていきたいです」(津田氏)

■ユーザーが一緒に“mineoを作る”という体験

 こうした状況を踏まえ、mineoの新たな事業戦略の軸となるのが「Fun with Fans!」だという。安さ、サポートの充実による競争を続けるなかで、ユーザーが“楽しい”と感じる体験を提供。その核となるのが、2015年1月にオープンしたコミュニティサイト「マイネ王」だ。

 「マイネ王」は現在の会員数が約1万9,000人。記事の投稿数は1日25件におよび、月間170万PVまで成長した。コンテンツは全部で4つあるが、そのなかで注目なのが、mineoのスタッフが自ら記事を投稿する「王国通信」だ。

「以前にはiPhoneのプロファイル更新情報を記事化したことがありましたが、そのなかでユーザーの成功例や失敗例がレポートのようにコメントされました。こうした情報はmineoにとっても有益となり、サービス改変のために役立っています」(津田氏)

 津田氏によると、実際にマイネ王でユーザーと対話することで生まれてきたサービスもあるという。通信容量節約アプリ「mineo スイッチ」、ユーザー間で容量を贈りあう「パケットギフト」、より低用量な500MBコースなどがそれだ。ほかにも、手数料の撤廃や速度改善なども、ユーザーの声から実現したものだという。

 なかでも、直近での成功例として挙げられていたのが、「フリータンク」と「チップ」だ。フリータンクではユーザーが余ったパケット容量を、共有の“タンク”と呼ばれる領域に貯蔵。貯蔵した容量は月に1GBまで、引き出して利用できる。一方、チップはマイネ王で役に立ったアイディアを提供された際に、感謝の気持ちをパケット容量を贈って表すものだ。

「マイネ王を通じてパケットや情報が楽しく行き来する環境を作ること。そのうえで一緒にmineoを作っていくという体験を楽しんでもらいながら、コアなユーザーを増やしていきたい。それがmineoを選ぶうえでの魅力となればいいと考えています」(津田氏)

 このような「共感」の上に成り立つマーケティングは、効果が得られるまでに時間がかかる。しかし、FTTHを振り返ると市場形成時のシェアがそのまま継続している現状があるため、ここ1、2年の間にトップシェアに食い込むことが大事になるという。

「安さや品質に投資する一方で、マジョリティ層を取り込むためにはマスマーケティングが必要になる。しかし、我々にはキャリア並みには、広告やキャンペーンに予算をかけられません。そのなかで、楽しいという価値を提供し、体験を楽しんでもらおうというのが『Fun with Fans!』という戦略です」(津田氏)

 同社の推計ではOCNやIIJなどのトップシェアが10%。そこにU-mobileや楽天モバイルなどが続き、mineoはそのさらに下にあると分析しながらも、mineoでは安さや品質といった基準ではない、独自の新たな視点によって顧客獲得を目指していくという。
《とびた》
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