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【業務系フリーソフト講座】第1回 数あるクラウドフリー業務ソフトの特徴と選択のポイント

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
無料クラウド会計ソフトの分類図
  • 無料クラウド会計ソフトの分類図
  • 主な無料クラウド業務ソフト
●クラウド業務ソフトは低価格。無料のものも

 クラウド業務ソフトの利用料は、総じて低価格です。パッケージの製造コストや物流コスト、販売店のマージンが不要なこと、ソフトを実行したりデータを保存するサーバーなどインフラコストが大きく低下したこと、サポートをメールやチャットなど、ネットを利用したものに絞り込み、効率化していることなどで、その低価格は実現されています。

 「円簿会計」や「円簿営業支援」のように無料で利用できるものもあります。もちろん、ボランティアでソフトが提供されているわけでありません。ソフトの利用時に広告が表示され、その収益で、機能制限や期間制限、追加的な料金支払いのない、完全無料を実現しています。

 無料版と有料版が用意されていて、無料版では機能の一部が制限されるソフトもあります。こうしたソフトでも、必要な機能が利用できるのであればいいのですが、中には、無料で利用できる期間が極めて短かったり、入力できるデータ量が非常に少なく設定されていたりして、いわば体験版的なものに留まるソフトもあるので注意が必要です。こうしたソフトでは実際に業務に使用する際には、料金の支払いが必要になる場合がほとんどです。

●クラウド化で何が変わったか

 クラウド化によって変わったことは大きく3つあります。

 1つめは、ソフトを入手する必要はなく、そのため法改正などによってソフトのバージョンアップが必要になった場合でも、意識することなく最新のバージョンが使えるということです。パッケージソフトでは、バージョンアップの際には追加費用が必要だったり、有償のメンテナンス契約を締結する必要があったりしましたが、クラウドでは通常こうした費用は不要です。

 2つめは、データがクラウド上に保存されるので、データの破壊、消失などの心配をする必要がないということです。自分のパソコンにデータが保管されるソフトでは、パソコンのハードディスクが壊れたり、ノートパソコンを持ちだして紛失した場合などは、それまで入力してきたデータは全て失われてしまいます。そうした事態に備えて、バックアップを行うなど、面倒な作業が必要でした。たとえ、バックアップを常に行っていても、火事などの災害で、オフィスに保管しておいたバックアップデータも含め焼失してしまうということも起こりえます。

 クラウドでは、クラウド上で自動的にバックアップされている業者が多く、万一サーバーが故障するなどの事態に陥っても、データは保全されます。サーバーは、災害に備えた十分な対策が講じられており、一般のオフィスに比べて罹災のリスクはかなり低くなっています。さらに、サービスによっては、東京、大阪間など物理的に離れた場所でバックアップを行うことで、大規模災害などの際に、たとえデータセンターが罹災した場合にも、データが失われることのないようも徹底的にデータ保全をはかったものもあります。

 3つめは、モバイルネットワークの進展により、いろいろな場所で様々な機器で利用することができることです。パッケージソフトでは、そのソフトをインストールしたパソコンでしか業務を行うことが出来ません。ところが、クラウドソフトではソフトとデータはクラウド上にありますので、クラウドに接続できるネットワーク環境とアクセスするためのソフトがあれば、使用することが出来ます。アクセスするソフトというと特別なソフトが必要に思われるかもしれませんが、通常はホームページなどを閲覧する際に使用するブラウザーを用いますので、ホームページを見ることができる環境なら、業務ソフトを使用することができるのです。

 しかも、パソコンに限らず、タブレットやスマホからでも使用することができます。パッケージソフトの大半が、タブレットはおろか、パソコンの一種であるマックで利用できないことと対照的です。

 こうした特性を活用すれば、営業中の合間の細切れ時間に、タブレットやスマホから、経費精算処理を行ったり、得意先と商談中に注文を聞きながら見積書を作成したり。これまでとはレベルの違う業務効率化が図れることでしょう。

 デメリットももちろんあります。最大のものは、ネットワーク環境がないと使えないということでしょう。クラウド上にソフトやデータがあるのですから、クラウドにアクセスできなければ、使用することができません。また、たとえネットワーク環境があっても、その速度が遅いとソフトの動作速度も劣化してしまいます。

 最近は、高速のモバイルネットワークが日本全国で使えますし、Wi-Fiスポットも多いので、あまり困る場合はないのですが、ビルの地下など利用できない場所もあるので注意が必要です。
《松山俊一》
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