缶チューハイ市場、あらためて注目の「高果汁カテゴリ」……人気の理由 | RBB TODAY

缶チューハイ市場、あらためて注目の「高果汁カテゴリ」……人気の理由

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キリン本搾り
  • キリン本搾り
  • キリン本搾り「りんご」
  • サントリーこくしぼり
  • RTD市場動向(出典:キリンビール推計)
  • 20代男女の「最も好きなお酒」(出典:キリンビール調査)
  • キリンRTD、2014年実績。ケース:250ml缶×24本換算
 アルコール飲料市場では、ビールの伸び悩みがささやかれ続けているが、その一方でここ数年、缶チューハイに代表される「RTD(Ready to Drink)」ジャンルが好調だ。

 キリンビールの推計によると、2014年は前年比7%増の約1億3000万ケースにRTD市場全体が伸張し、2015年も4~5%増の伸長が予測されているという。その背景には、ビール類ユーザーの自宅でのRTD飲用率が上昇しており、併飲率が高まっていることがある。また、1本目からRTDを飲む頻度も増加傾向にあり、「日常のアルコール飲料」になりつつある。また、ビール類にはない「甘み」「フレーバー」「低負担」といった要素が若年層に受け入れられていることも、好調理由にあげられる。

 さらにアルコール度数やテイストの振り幅も魅力のひとつ。アルコール度数の高い、ストロング系商品がカテゴリを形成した一方で、キリンの1%アルコール缶チューハイ「キリン バタフライ」、サントリーの「THE O.N.E.」など、低アルコール領域もますます裾野が広がっている。こうした動きを受け、各社も主力ブランドを中心に強気の事業方針、活発な商品戦略を発表している。なかでも注目は「高果汁カテゴリ」だ。

 たとえば、サントリースピリッツは、豊かな果実感と深みのある“コク”が特徴の「こくしぼり〈グレープフルーツ〉」「同〈レモン&ライム〉」「同〈オレンジ〉」を2月10日に新発売している。一方、「高果汁カテゴリ」の元祖とも言えるのはキリン「本搾り」。他社より高い果汁含有率と、甘味料などの添加物を使わない「お酒と果汁だけ」という製法が、ナチュラルさを求める人たちに受け入れられ、2003年の発売開始以降、現在も販売を伸ばしている。特徴は果汁率の高さで、レモンが12%、グレープフルーツが28%、オレンジが45%と缶チューハイのなかでは一番高くなっている。なお1月13日には、期間限定で「りんご(果汁50%)」も発売されている。

 こうした缶チューハイの好調、高果汁カテゴリの人気について、経済ジャーナリストの谷本有香氏は、「女性を中心に、昼食、夕食問わず『カフェめし』に代表されるようなライトミールが広がっている。これらの食事にビールはあまり合わず、すっきりと飲めるチューハイが支持されているのでは」と分析している。

 また、通常イメージでは、「女性は低アルコール、男性は高アルコールを好む」と思われがちだが、「スイッチオフするために飲む」女性は、短時間で酔いたいというニーズがあり、高アルコールのものを1本だけ飲むスタイルだが、逆に男性はコミュニケーションツールとしての位置づけのため、だらだら、ゆっくり飲める低アルコールが支持されており、実際は「女性は高アルコール、男性は低アルコール」という図式になっていることも指摘している。

 さらに「本搾り」の根強い人気については、「より良いものを選んで食べたい・飲みたい」という本格志向とマッチしている点、「甘さ控えめ」「高果汁」といった要素が健康を意識する女性にとくに受け入れられている点、居酒屋などの「生搾りサワー」の実体験イメージがファーストトライやリピートにつながっている点があるのではないかとコメントしている。

 キリンが切り開いた高果汁市場。春商戦に向けて、2社の果汁の戦いが注目を集めそうだ。
《冨岡晶》

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