【Interop 2014 Vol.50】Nuage Networks スコット・スネドン氏に訊く……なぜSDNにポリシードリブン・アプローチが必要なのか? 3ページ目 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

【Interop 2014 Vol.50】Nuage Networks スコット・スネドン氏に訊く……なぜSDNにポリシードリブン・アプローチが必要なのか?

エンタープライズ ハードウェア
Nuage Networks アジア太平洋地域ビジネス開発主管 プッリンシバル・ソリューション・アーキテクト スコット・スネドン氏
  • Nuage Networks アジア太平洋地域ビジネス開発主管 プッリンシバル・ソリューション・アーキテクト スコット・スネドン氏
  • 「Nuage Networksは、仏アルカテル・ルーセントの社内ベンチャーとして発足した」と語るスコット・スネドン氏
  • 従来のネットワーク設計・運用の課題その1。コンピュート部は仮想化されているが、まだネットワークは一部のみの仮想化にとどまり、設定は手動で行うケースがほとんどだ
  • 従来のネットワーク設計・運用の課題その2。SDNが適用されてサービスの提供スピードが向上しても、ネットワークのコンフィグ設定を手動で行うという点は変わらない
  • 従来のネットワーク設計・運用の課題その3。SDNが適用されても依然として複数の担当者が設定を担当。つまり自動化に伴う課題の一部をSDNで対処したに過ぎない
  • Nuage Networksが提唱してきたネットワーク・ポリシーベースド・アプローチならば、ポリシーテンプレートを使い、一度設計したネットワークデザインが何度でも繰り返して利用できるようになる
  • ポリシーベースのネットワーク構築のフロー。ネットワーク設計をアプリケーション開発の手順と同様にして行うというコンセプト
  • ポリシーベースのネットワーキングを実現するプラットフォームの画面。仮想と物理ネットワークにポリシーを抽象化して提供
●Nuage Networksの「VSP」で、管理しやすい次世代ネットワーキングを!

 Nuage Networksのソリューションでは、このポリシーベース・ネットワーキングを実現するためのプラットフォームをすでに市場に投入している。それが仮想化サービスプラットフォーム「VSP」(Virtualized Services Platform)だ。そして、標準に準拠するという目的のために、同社はOpenstackのようなオープンな団体にも参加しているのだ。VSPは、具体的に「VSR」(Virtual Routing and Switching Engine)、「VSC」(Virtualized Services Controller)、「VSD」(Virtualized Services Directory)という3つのコンポーネントに分かれている。

 一番下のレイヤに位置するVSRは、ネットワークのルーティングやスイッチングなど転送を担うもので、ベアメタルとの連携も取っている。その上のレイヤに、ネットワークをプログラミングするSDNコントローラとして、アルカテル・ルーセントのルータOSを採用したVSCがある。ここでWANとの接続(BGPへの対応)が可能になる。さらに一番上のレイヤにあるVSDがネットワーク・ポリシーのエンジンとなり、複雑な要素を抽象化する。ここではAPIを提供しており、OpenstackやCloudStack、VMwareなどと連携できるようになっている。

 「Nuage Networksはオープンなソリューションを提供しているため、どのようなハイパーバイザーでも動かせる。データセンタのハードウェア・ネットワーキングも、すべての仮想化環境に対応できるように配慮しており、異なるプラットフォームでも一貫して整合性のとれた機能を提供できる」(スコット・スネドン氏)

 すでにNuage Networksのソリューションを検証している日本の大手ユーザーもいるそうだ。たとえばIDCフロンティやNTTComでは、同社のフレームワークを評価・検証を行っている。OpenStackやCloudStack、VMwareと連携し、仮想化プラットフォームとして使っている事業者も増えているという。

 同氏は「コンピュート・リソースをデプロイすると同時にネットワーク・リソースも自動的にプロビジョニングされる。これがポリシーベースのテンプレートに参照される。このようにして品質の高いネットワーキングを提供できるようになっている」と自信を見せる。

 ただ単にネットワークを仮想化したり、SDN化したりするだけでは、現在直面する課題を解決することは難しい。むしろ新しい仕組みを投入することで、管理者に余計な負担がかかったり、新たに複雑な問題が起きてしまうこともあるだろう。そのような中で、SDNという技術にポリシーという考え方を加味することで、NuageのVSPをベースにした管理しやすい次世代ネットワーキング・プラットフォームが登場するだろう。
《井上猛雄》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top