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“モノづくり革命”進行中!3Dプリンタの原理・種類・メリットを徹底比較!!(後編)

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3D Systems社の「CUBE」(シングルヘッド)と造形品のサンプル。造形方法は熱溶解積層方式(FDM)
  • 3D Systems社の「CUBE」(シングルヘッド)と造形品のサンプル。造形方法は熱溶解積層方式(FDM)
  • 3D Systems社の「CUBE-X」(マルチヘッド)と造形品のサンプル。3色の同時造形が可能。マテリアルは30色以上のカラーバリエーション(ABS全17色、PLA全18色)を用意
  • 3D Systems社の粉末固着法インクジェット方式「ProJet X60シリーズ」。プロユーズ向けのモデル
  • Stratasys社の「Object30Pro」。紫外線硬化インクジェット方式
  • Stratasys社の「FDMシリーズ」(写真はミッドレンジの「Dimensionシリーズ」)
  • Dimensionシリーズの造形サンプル。材料にABS樹脂などを使用でき、強度や湿度に強い造詣が可能な点が大きな特徴
  • こちらは3Dプリンタではないが、ユニークなメタルプリンタ「MPX-90」。多彩な金属アイテムに高精度な打刻を実現
  • MPX-90による打刻。まるで写真のような打刻で感動的なサンプルだ
 次に三本氏は、3D Systems社が提供する粉末固着法インクジェット方式の「ProJet X60シリーズ」についても紹介した。「粉末材(石膏)にカラー接着剤をインクジェットノズルで吹き付けて固着するため、フルカラープリントに対応している点が最大の特徴」(三本氏)。ハイエンドのProJet660はカラー39万色に対応し、意匠検討やプレゼンモデルの造形に適している。またカラーリングで応力部を可視化するといった活用法もあるという。ただし材料が粉末なので脆く、表面の質感に難があるというデメリットも。

 3Dプリンタの真打といえばStratasys社の「FDMシリーズ」だろう。こちらは全世界で一番売れている3Dプリンタだという。「材料にABS樹脂などを使用でき、強度や湿度に強い造詣が可能な点が大きな特徴」。Stratasys社のFDMシリーズは、ローエンドの「uPrintシリーズ」、ミッドレンジの「Dimensionシリーズ」、ハイエンドの「FORTUSシリーズ」が用意されている。FORTUSシリーズは高価(748万円~7800万円)だが、ペン幅が可変構造になっており、樹脂の抜けがない高品質な造形が可能だ。

 このほか、いま話題のパーソナルユース向けの3Dプリンタについても紹介。こちらは100万円以下の低価格なFDM方式で、ヘッド数(1~3)によって価格も異なる。最も安い製品群はシングルヘッドで、3D Systems社の「CUBE」で16万円、次いでマイクロファクトリー社の「Mini」は19万円だ。CUBE Xのようなマルチヘッドの場合には、最大3色の同時造形が可能だ(マテリアルは30色以上のカラーバリエーションを用意。ABS全17色、PLA全18色)。ただし低価格な3Dプリンタは、造形時の温度コントロールが利かない、反りがでる、どこがサポート材が分からなくなる(シングルヘッドの場合)という短所もある。とはいえ個人で利用したいモデラーには魅力的な価格といえるだろう。

 最後に三本氏は、セミナーのまとめとして「3Dプリンタは確かに便利な製品だが、何でもでつくれる魔法の箱ではないことは頭にいれておきたい。3Dデータ(STL)がなければ、3Dプリンタは単なる箱と同じなので、データの方が大事。またカタログスペックだけでは図れない性能もあるため、本当に自社に合った製品を選ぶには事前にベンチマークをする必要がある。サポート材の後処理方法も注意したいところだ」と述べた。
《井上猛雄》
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