【ウェブユーザビリティ洞察】検索をナビゲーションに改変する……ニールセン博士のAlertbox | RBB TODAY
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【ウェブユーザビリティ洞察】検索をナビゲーションに改変する……ニールセン博士のAlertbox

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Amazon.comでの「ピンク色で耐衝撃性のあるiPhone 5カバー」に対する検索結果1ページ目からの抜粋
  • Amazon.comでの「ピンク色で耐衝撃性のあるiPhone 5カバー」に対する検索結果1ページ目からの抜粋
  • テストしたCostcoのウェブサイト: 「television」と検索すると表示されたページ
 ユーザーというのはウェブ上で何かを探したり、調べたりするのが信じられないくらい下手なものである。数年前、私はユーザーの調査スキルを「不適切」と評したが、時とともに彼らのスキルは低下するばかりだ。今年、ユーザーテストを行なった後に私の頭に浮かんだ言葉は、「哀れ」というのと「使いものにならない」だった。

 例えば、最近、行なった調査で、あるユーザーが娘さんへのプレゼントとして、頑丈だけど女の子らしい携帯電話ケースを買おうとしていた。彼女はAmazon.com上で、「ピンク色で耐衝撃性のあるiPhone 5カバー」といった検索キーワードを使って、商品データベースを手当たり次第に漁った。

 このキーワードは我々がその週に見た最悪のものというわけではない。けれども、今回の事例でそのユーザーは希望するものを1つも見つけられなかった。彼女は何度かキーワードの修正も試みた。これはたいていのユーザーがしようとは思わないことである。しかし、彼女は自分の基本的な検索のやり方にはまるで疑問をもっていなかった。また、Amazonが利用しているのは全文検索で、検索キーワードの意味は考慮しないこともわかっていなかった。

 彼女が見つけた商品の中には、ピンク色でも、携帯電話ケースでも、 iPhoneのケースでもないようなものもあった。しかし、Amazonのサムネイルは、少なくとも彼女がそうした間違った該当項目のほとんどをクリックしなくてすむ程度には良くできている。

 今回のような場合に、Amazon.comのユーザビリティが良くないのはそのビジネスモデルのせいである。つまり、ありとあらゆる商品を扱っているからといえる。このような目的のもとでは、どれか1つの商品カテゴリーを最適な形でサポートすることは不可能だからだ。それでも、、eコマースのデザインガイドラインに関してのAmazonの総合評価は、他のほとんどのサイトよりもまだ優れているが。

簡単な検索はうまくいくが、難しいと失敗する

 毎回、調査で我々が目にするものは同じだ。それは、ほとんどのユーザーは検索をしようとはするが、その使い方はわかってないということである。

 もっと学校が上手に子どもに検索の仕方を教えてくれたらいいのにと本当に思う。しかし、あまり期待はしていない。なぜならば、ほとんどの人が持つ読み書きのスキルはアリクイ程度だからだ(「チンパンジー」と言おうかと思ったのだが、彼らは私が例えたいことに対して賢すぎる)。新しい多様な語彙を頭から生み出すというのは氷河期の狩猟民が生き残るためのスキルではなかったので、今日のほとんどの人は手助けなしには適切な検索キーワードを考え出すことはできないのである。

 検索ができないのに、なぜユーザーが今まで以上にこれほど検索に支配されているのかは謎のように思える。おそらく、多くの場合、主にシンプルなタスクに対してウェブ検索エンジンを利用したときには、実際に、検索というユーザーの取った方策がよく機能するからだろう。なるほど、大規模な検索エンジン(例えば、GoogleやBing、Naver、Baidu、Yandex)は回答エンジンに姿を変えてきており、ユーザーの求めるものをまさにSERP(検索エンジン結果ページ)上で提供してくれることが多い。

※この記事は、「U-Site」が掲載しているコラム「ニールセン博士のAlertbox」から全文転載したものです。最新コラムや詳細情報は「U-Site」で閲覧できます。
《RBB TODAY》
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