“アリスはみんなが思っている人間でない” 映画『バイオハザードV』アンダーソン監督インタビュー 後編
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ポール・W・S・アンダーソン監督に訊く
ポール・W・S・アンダーソン監督には、引き続きシリーズの今後の展開を伺った。第6作については、言葉を選びながら慎重な様子ではあった。しかし、それが実現すればシリーズのクライマックスを飾るものとなりそうだ。
そして、いまだ明かされないアリスの正体についてもヒントを投げかけた。アリスの正体はVIで明かされるというのだが・・・
―― 映画はまるで息をつかせません。
―― P.A
息をつく暇がないとの思ってもらえるのは、とてもうれしいです。この映画の狙いのひとつはまさにそこにあります。
私はいつもこれまでと異なった映画を作ろうと思っています。シリーズ1作目は私にとってはお化け屋敷ものでした。ひとつの場所に閉じ込められて、人々はクリチャーに襲われます。そしてハイブの中で逃げまどいます。
2作目はアクション映画です。3作目は壮大な背景を持ったロードムービーです。4作目は要塞ものの映画でした。城攻めが描かれています。
そして、今回、5作目は逃走劇です。一旦、逃げ出すと決して止まるころがありません。一瞬はエンドと思えますが、息をつくことなく次に続きます。
―― もうひとつ面白い試みは、敵味方のキャラクターをシャッフルして、敵が味方に、味方が敵にそれが入り乱れます。
―― P.A
いい者が悪者になったり、悪者がいい者になる。このアイディアは、ゲームから来ています。
『バイオハザードV』では、ジル・バレンタインが悪者になります。彼女はこれまではグッドガールですが、アンブレラコーポレーションに操られます。いい者が悪者になるなら、逆もありだと思いました。
ゲームでは一番の敵はアンブレラです。ゲームでもウェスカーが時にはアンブレラを裏切る時もあります。そうした場所からインスピレーションを受けてシャッフルをしています。これはシリーズを常に新鮮にするためにも有効な手段です。
―― 今回は5作目ですが、既に6作目という話も出ています。少し早いですが、今後の行方を教えていただけますか?
―― P.A
私は一作ごとに、最高の努力と愛情とアイディアを注ぎ込んでいます。それに全力を尽くしていて次のことはあまり考えないのです。
映画監督が、次の映画が撮れると思うのはおこがましいことです。これが最後になるかもしれないと挑むことが大切です。今回もそうしたつもりで撮っています。
いままでのシリーズを観てなくても楽しめるし、次の映画を観なければと思わせず、この映画だけでも楽しめます。
そうではありますが、もし6作目があるとすれば、Vがまさにクライマックスに向けて動き出していると感じられるはずです。言い方を変えるとVは、映画「バイオハザード」シリーズの終わりの始まりです。
今回は多くのキャラクターが死にましたが、もしVIがあるなら、そこではより多くの死を目撃することになるでしょう。
―― これは答えていただけないかもしれませんが、アリスは何者なのですか?
―― P.A
アリスはジル・バレンタインでもなければ、クレア・レッドフィールドでもない。それらのキャラクターを源泉にした全く新しいキャラクターです。
一方で彼女はゲームの中に登場する典型的なバイオハザードガールです。非常に強く、行動派で、美しい存在です。
もうひとつ私が世界で一番好きな本にルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』があります。彼女はそこからもインスパイアされています。映画ではアリスが鏡のようなパネルを通って地下に降りていくところもあります。また、時間に取りつかれた敵が出て来るのも同じ理由です。非常にねじ曲がっているかもしれませんが、私にとっては『鏡の国のアリス』のアリスなのです。
―― それがアリスの正体なのですか?
―― P.A
アリスが何であるかは、今回も少しほのめかされています。そして、VIが作られればそれは完全に明かにされるでしょう。
彼女は人間です。ただし、皆さんが思っている人間ではありません。彼女には最初から記憶がありません。その場、その場面で周りから言われ、与えられることで自分のアイデンティティを獲得しているのです。だから実際に彼女が誰であるかは、分からないわけです。
ですからアリスは皆さんが思っている人間ではないですし、そして彼女自身が思っている人間でもないのです。
―― 最後に、読者にメッセーシをいただけますか?
―― P.A
「バイオハザード」シリーズは、本当にミラと私の情熱を注ぎ込んで作っている映画です。私はゲームが好きですし、ミラもゲームが好きですし、そして他のスタッフも本当にみんなゲーム好きです。1作目はそうしたなかで生まれた企画でした。
シリーズ全体を通して、こうしたクリエイティブのスタッフが変わっていないのは本当に珍しいシリーズでないでしょうか。
5本作られた中でも、自分では今回が最強、最大の「バイオハザード」映画と思っています。アクションは、これまで自分が撮った映画の中でも最高です。3Dも2012年の映画の最高のものです。ミラもこれまで最高の演技ですから、最高の映画が出来ました。もし観ていただければ、きっと楽しんでいただけると思います。
『バイオハザードV:リトリビューション』
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
9月14日(金)より丸の内ピカデリー他全国ロードショー
http://www.biohazard5.jp/
“アリスはみんなが思っている人間でない” 『バイオハザードV: リトリビューション』P・アンダーソン監督インタビュー 後編
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