富士通、沼津ソフトウェア開発クラウドセンターを公開! 開発環境を自動構築 | RBB TODAY
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富士通、沼津ソフトウェア開発クラウドセンターを公開! 開発環境を自動構築

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
富士通 執行役員常務 山中明氏
  • 富士通 執行役員常務 山中明氏
  • ETERNUS 4000
  • 2009年導入の仮想サーバ
  • 1956年に富士通最初の商用コンピューターとして発売された「FACOM 128B」。
 富士通は「沼津ソフトウェア開発クラウドセンター」(以下、沼津開発センター)を報道陣に公開した。沼津開発センターはソフトウェア開発者のための開発センターで、1976年に開設された。静岡県の三島駅から車で30分程のところに位置している。

 同社の執行役員常務 山中明氏は、富士通のクラウドサービスの柱として、物理サーバの仮想化・標準化・自動化を行う「クライアントシステムのクラウド化」と、「クラウド化のためのプロダクト・サービスの提供」を挙げているが、沼津開発センターでは、開発者を対象に開発環境を自動構築して貸し出すサービスを提供している。対象者は同社の国内6拠点、海外4拠点の計4,500人の開発者。新旧850種類以上のサーバを設置しており、現時点で2,000VM規模の仮想ゲストを運用しているが、年内に3,000VM規模まで拡大する予定だという。

 開発環境の自動構築サービスでは、開発者がサービスカタログから開発環境を選択し、申請することでセンター側で開発環境を構築・提供する。各拠点・部署ごとに散らばっているサーバを、沼津開発センターに集約し、自動構築サービスを提供することによって人件費、スペースの効率化などによるコストダウンや、開発環境構築時間短縮による開発者の負荷軽減などを狙う。実際国内6拠点の1,800サーバを900サーバに集約・仮想化したが、その投資対効果としては、2億円の人件費削減効果や、スペースの効率化などを含めて7億円/年を見込んでいるほか、従来であれば360分程要していた開発環境の構築時間を10分に短縮することができるという。

 同社自体、物理サーバのクラウド化以前は、開発サーバを各拠点、部署ごとに構築していた。その際ピーク時を想定したサーバを用意するため、無駄が生じるといった問題点が生じたことや、動作確認を行うプラットフォーム数が増加する中で、開発環境の構築作業をスピードアップする必要性が出てきたことから、サーバの集約・仮想化を進めるに至ったという。

 クラウド化は2008年から3年計画で進められており、投資額は3年間で11億円。ステップとしてはまず、各地に散在する物理サーバを沼津開発センターに集約、仮想化する作業を2008年から現在まで進めている。4ヵ月かけて2,000台ちかくのサーバを集約しており、賃貸ビル1棟を解約したことで、2億円のコストを削減したという。2009年からは、サーバを集約したことによるセンター側の負荷の効率化を目的に、集めた作業の標準化を進めた。従来仮想環境は348種類のパターンがあったが、これを使用頻度の高い標準構成に「型決め」することで51種類まで削減・標準化することができたという。今後は対象をOSだけでなく、ミドルウェアまで広げていく予定。さらに2010年には、より多くの開発者にサービスを提供するため、標準化した作業の自動化を随時進めていくという。

 今後の同社全体のクラウドへの取り組みとしては、10月から開発者が必要なOSやミドルウェア、システム構成をテンプレートから選択し仮想システムを構築できる「オンデマンド仮想システムサービス」が開始される。同サービスはすでにβ版が5月から提供されており、5月の「富士通フォーラム2010」で展示された。さらに2010年度第4四半期からはグローバルに展開をするため、海外でのデータセンター構築も予定しているという。7月に発表された同社と米マイクロソフトのクラウド分野における協業に関しては、マイクロソフトの「Windows Azure platform」を富士通のデータセンターで運用する「Windows Azure platform appliance」が来年初頭から提供開始予定。
《RBB TODAY》
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