雲の中に人が見えるクラウド・・・ソーシャルゲームなど大規模ネットワークゲームを支える日立ソフトのクラウドサービス | RBB TODAY
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雲の中に人が見えるクラウド・・・ソーシャルゲームなど大規模ネットワークゲームを支える日立ソフトのクラウドサービス

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社 金融システム事業部 第2金融システム本部 第1保険証券システム部 課長 シニアITアーキテクト 山口勝也氏
  • 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社 金融システム事業部 第2金融システム本部 第1保険証券システム部 課長 シニアITアーキテクト 山口勝也氏
  • 3つのサービスメニュー
  • 3つの料金の組み合わせ例
  • 無駄のないインフラ環境を実現
  • 「Game Cloud Service」適用のメリット
 日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(以下、日立ソフト)は、ゲーム業界向けにインフラ基盤を提供する「Game Cloud Service(ゲームクラウドサービス)」を昨年11月より展開している。ソーシャルゲームの人気を背景に、サーバ運用もゲーム運営における重要なファクターとなってきており、国内外のクラウドサービスを導入、または検討比較しているゲーム会社もすでに多いことだろう。とかく実体が雲(クラウド)に隠れ「見えない不安」が先行しがちなクラウドサービスだが、「Game Cloud Service」がサービス開始直後から大手ソーシャルゲームに採用され続けている理由はどこにあるのか。

 「Game Cloud Service」のサービスとゲーム会社にもたらすメリットについて、日立ソフトの金融システム事業部 第2金融システム本部 第1保険証券システム部 課長 シニアITアーキテクトの山口勝也氏に話を聞いた。

■オンラインゲーム運営にあたってのサーバインフラ投資の課題

 オンラインゲームの運営においては、サービス開始時や提供中のゲームのユーザ数の増減等、様々な局面でサーバ環境の変更が必要となり、こうしたサーバインフラに対する投資がゲーム会社の大きな課題となっているという。

 彼らの最大の悩みは、サービス開始時のユーザ数やその後の推移が予測できないことだ。安定したサービス提供のためには、ある程度ピークを見越したサーバ投資を行わなければならず、そのために過剰投資が生じる。加えて、サービス終了後も、リースや機器償却といった資産管理上の理由からやむなくサーバを遊休資産として抱えるケースもある。

 「ゲーム会社様へのヒヤリングを通じてわかった悩みを、クラウドのメリットとうまく組み合わせて解決できるのではないかと考えました」と山口氏は語る。立ち上げから配信終了まで、ゲームタイトルのライフサイクルにおける各フェーズや状況に応じてサーバリソースを柔軟に増減できれば、ゲーム会社のインフラ基盤投資や運用コストの軽減につながる。こう考えて登場したのが「Game Cloud Service」だ。

■実績あるクラウドサービス「SecureOnline」をゲーム業界向けにアレンジ

 「Game Cloud Service」は、日立ソフトのクラウドサービス「SecureOnline(セキュアオンライン)」を基盤としている。「SecureOnline」は、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)準拠の日立ソフト国内データセンターとVPN接続し、サーバインフラを必要な時に必要なだけ月額で利用できるサービスである。2007年1月より提供を開始し、すでに250社以上の導入実績を持っている。

 こうした「インフラ基盤サービス」に加え、「Game Cloud Service」では、リソース(CPU・メモリ・ディスクの利用率等)増減の判断材料となる「運用基盤サービス(監視)」および「リソース適正化支援サービス」を付加することで、サーバインフラの適正コスト維持を強力にバックアップしている。

■ユーザの増減・ゲームタイトルのライフサイクルに応じてインフラコストを適正化

 「Game Cloud Service」の最大の特長は、「短期(1カ月)>中期(2年)>長期(3年以上)」という、契約期間によって異なる3つの料金メニューを、1つまたは2つ以上自由に組み合わせられる点だ。

 この料金メニューについて山口氏は、「1つのゲームタイトルのユーザ数には、安定的に見込める数と、変動する数があります。前者は長期利用が予想されるため、ゲーム会社様はできるだけコストを抑えたいと考えられます。そこで、ユーザの増減に合わせて料金体系を選べることで、 無駄のないサーバインフラ利用を実現し、コストの適正化を図っていただけます」と説明する。

 この3つのうち、「中期」を2年としている点については、「一般のリース期間が3年で、それより短くしました。ゲームタイトルのサービス開始後、継続の是非についての事業的判断を下す時期が2年目というゲーム会社様が多く、そのため、5年といった長期スパンよりのゲームだけでなく、2年くらいでクローズするゲームも考慮しました」(山口氏)

 例えば、ベースとなるサーバインフラは中期または長期にしてコストを抑え、サービス開始当初の一時的なユーザ数は短期の更新でしのぐ、そしてユーザ数が落ち着いてきたところで短期を解約する、といったことが可能だ。また、サービス開始時にまったくユーザ数が見えない場合は、短期のみ契約し、落ち着いてきたところで中期または長期への切り替えを検討することも可能になる。

 一方、サーバを自社で購入したりリースを利用したりしている場合は、変動部分まで中長期にわたって維持し続ける必要があり、この部分がゲーム会社の負担となってしまう。しかし、「Game Cloud Service」であれば、想定よりユーザ数が増えた場合や、イベント開催等で一時的にユーザ数が増える場合のリソース不足を即座に補うことができ、またその逆で、想定よりユーザ数が伸びない場合や、サーバの資産償却を待たずに配信終了した場合の無駄な投資を抑制できる。

■あらゆるゲームの開発・本番環境をサポート

 実際のゲーム会社の開発・テスト環境も考慮している「Game Cloud Service」は、複数の開発会社の環境を束ねた利用も可能だ。例えば、ゲーム会社が開発会社A社との間ですでに専用回線を持っていれば、A社はゲーム会社のVPN経由で接続できる。また、開発会社B社用は個別にVPN接続し、B社用の開発環境を利用するといったことが可能になる。開発環境、テスト環境、本番環境はデータセンター側で用意するため、ゲーム会社側は、サーバ上にコンテンツを用意するだけでクラウドサービスをただちに利用できる。

 「Game Cloud Service」は、アーケードゲーム(ネット対戦のマッチング)、携帯ゲーム(Flashゲーム、モバイルアプリ)、PCオンラインゲーム(MMORPGやソーシャル系など様々なオンラインゲーム)等、サーバを使用するあらゆるゲームに利用できる。すでに、最大手ソーシャル・ネットワークサービス向けに5本以上のPC/携帯ゲームタイトルの開発・本番環境として利用されているほか、現在はPC系のコミュニケーションゲームのリリースに向けた開発も行われているという。

■ゲーム会社に信頼され親しまれる「日本的ゲームクラウド」

 「Game Cloud Service」の利用にあたっては、ネットワークの転送量に基づいた従量課金を行っておらず、ゲーム会社が予算を立てやすいことに配慮している他、サーバスペックの選定、固定ソフトウェアの導入、ネットワーク設定等、厳格な“お作法”がなく、ゲーム会社の希望に沿った形で利用できるようになっている。また、サーバだけでなく、ネットワーク機器やロードバランサなど、ネットワーク周りも含めて総合的に支援し、ゲーム会社がコンテンツに専念できるサーバ環境づくりを推進している。

 これは、「身近な相談できるパートナーとして、できる限りの支援を行いたい」という考えに基づくもので、「クラウドは何かと見えない状況でご利用いただくことが多いサービスと思われていますが、弊社ではSEがお客様のもとへ直接出向き、実際に顔を合わせてご要望を伺ったうえでクラウドサービスをご提供させていただいています。料金メニューの選定においてもアドバイスさせていただいたり、予期せぬユーザ増への迅速に対応させていただくなど、お客様が“雲の中に人が見える”と安心感を持っていただけるサービスに取り組んでいます」と山口氏は語る。

■「Game Cloud Service」の今後の展開

 「Game Cloud Service」のサービス提供直後を、「我々もゲーム業界向けのクラウドサービスは初めてのことで、特にバースト的なユーザ増への対応には手探りの部分もありました」と山口氏は振り返る。しかし、「お客様と連携を密にしながら、そうした状況にもうまく対応してきました。現在、ユーザ数50万超の大規模なゲームサイトも安定稼動していますし、今までのノウハウを今後は新規参入のお客様にも生かしていきたいと考えています。ソーシャルゲーム市場には参入しやすいというイメージがあって、会社の規模を問わずお問い合わせをいただきますので、そういったお客様をしっかりと支援させていただきます」(山口氏)

 「Game Cloud Service」では、今後、各ゲームタイトルで共通に利用できる機能をオプションメニューとして提供することを計画している。ゲーム会社の経定常的業務をデータセンター側が行う「運用代行」も、オプション化予定の1つだ。また、ソーシャル系はFlashを扱うゲームが多いため、リッチコンテンツ配信のネットワーク負荷を軽減するCDN(コンテンツ・デリバリ・ネットワーク)機能との連携メニューは、ゲーム会社からの要望も高く、優先度を上げて投入したいという。この他、セキュリティ面での要件などから、ゲームのタイトルによってはクラウドサービスと物理サーバを組み合わせる必要も出てきている。日立ソフトではこの面でもゲーム会社をサポートできるよう、クラウドサービスと物理サーバの連携をとる方式もラインナップとして準備している。日立ソフトの「Game Cloud Service」の今後の展開がますます注目される。

※Game Cloudは日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社の登録商標です。
その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
《柏木由美子》
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