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日本初の完全インターネット型通信制4年制大学「サイバー大学」、学長の吉村作治氏が説明

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サイバー大学の概要や今後の予定、大学や教育に関する自身の考えを熱く語る吉村作治氏
  • サイバー大学の概要や今後の予定、大学や教育に関する自身の考えを熱く語る吉村作治氏
  • 現在の日本の多数の大学が抱える問題点の1つが、産業界が求める人材を輩出できていないというところ。サイバー大学では、即戦力として活躍できる人材を輩出していくとしている
  • 授業画面。教員が話す画面、その隣には資料や画像、授業内容目次(板書に当たる)などで構成される。視聴を中断しても、途中から再生可能だ
  • 画面に書き込んだりメモを貼り付けたりといったことも可能
  • サイバー大学公式サイトのトップページ。来週の月曜日からいよいよ募集が始まる。定員は2学部各600名の1,200名。多いようなら、定員を変更する可能性もあるとのこと
 日本サイバー教育研究所は7日、日本初となる完全インターネット型の通信制4年制大学「サイバー大学」(文部科学省正式認可済みで、2007年4月開校)の説明会を実施。同大学の学長を務める、考古学の世界的な権威である吉村作治氏が説明を行った。

 サイバー大学を運営する日本サイバー教育研究所は、ソフトバンクが71%を出資、そのほか九州電力やアール・ケー・ビー毎日放送、ゼネラルアサヒなど、九州に関連の深い企業が主要株主として名を連ねる企業だ。つまり、サイバー大学は私立でも公立でもない、株式会社立の大学というわけだ。ちなみに、株式会社立の教育機関の学生に対するメリットとしては、学校が儲かることで、学費をどんどん下げてもらえる可能性が高い、という点。なお、社屋は福岡市にあり、サイバー大学の校舎も福岡市東区香椎照葉の構造改革特区「ふくおかアイランドシティ」に建設中である。

 同大学の最大の特徴は、インターネットを利用した、オンデマンド(eラーニング)方式で授業を受けられること。つまり、いつでも自分の好きな時間に、(通信環境と動作環境を満たしたPCがあれば)どこででも授業を受けられるというわけである。地域や年齢、時間、身体的なハンディキャップなどを問題とせずに、より大勢の人が学べるというわけだ。同時にそれは教員側にとっても大きなメリットで、吉村氏のように発掘作業を海外で行う方でも、現地から授業を行うことが可能なのだ。ちなみにいわゆる期末テストといったものはなく、毎回の授業を理解しているかどうかをチェックする小テストを何度も設けるようだ。

 その教員だが、もちろん各テーマについて深い専門的な知識と経験をもち、第一線で活躍するプロフェッショナルばかりが揃えられている。初年度は、吉村氏が学部長も兼任する世界遺産学部世界遺産学科と、日本のIT・インターネットの第一人者である石田晴久氏が学部長を務めるIT総合学部IT総合学科の2つを用意。これらの教員が文字、写真、イラスト、動画などを多角的に駆使してオンデマンドで授業を行うが、その授業コンテンツに対しても、教員各自の技量に任せるのではなく、インストラクショナルデザイナーが参加し、教員の実力によるバラつきを極力抑える仕組みだ。そのほか、教員をサポートする助手やメンターといった人たちの存在もある。

 そして大学への入学といえば、なんといっても試験だが、サイバー大学への入学は、なんと試験なし。これは、吉村氏の「教育は平等に誰で受けられるべき」という考えに基づくもので、定員をオーバーする場合は、抽選となる。また、学費も1年間幾らではなく、1単位取得に幾らという方式。つまり、学生が確実に修得することを第一に考えているからで、従来の大学のように修得のために留年すれば余計にお金がかかる、という問題点を解消しているのだ。ちなみに、1単位2万1,000円で、卒業までに必要な単位数は124(教養科目30+外国語科目20+専門科目74)なので、合計260万4,000円。そのほかに入学検定料1万円、入学金10万円が必要とされるが、従来の大学よりもかなり割安となっている。しかも、最初に全額を納める必要はなく、4年後からの10年ローンで返済する方式も用意される。

 そのほか、企業が希求するプロフェッショナルを育成する点に注力しているところもポイント。従来の大学では実現し得なかった長期のインターンシップやボランティア、留学プログラムなども提供される予定だ。また、「ドキュメント作成」「会計知識」などのビジネススキル研修や、TOEICなどの外国語資格対策、マイクロソフトやオラクルなどの認定資格などの、即戦力となる人材を育てるための多彩な授業外プログラムも用意されている。

 ここで心配されるのが、コミュニケーション不足ではないだろうか。その点は問題なく、授業には必ずBBSが用意されており、48時間以内に教員が学生の質問に答える仕組みだ。学生同士の意見交換やグループワーク、サークル活動なども可能。授業以外の部分でも学生を助けるサポートセンターがある。決して、「費用が安い」「家から出ないで授業を受けられる」といったことだけがメリットではないのだ。

 また、現在は2学部しかないが、将来的には優秀な教員の人材の確保を行いつつ学部を増やしていくとしている。既存の多数の大学にあるような一般的な学部は考えていないとのことで、今のニーズに応えるような、「日本をよくする学部」とか、宇宙からの視点で地球を考える「宇宙学部」など、これまでにない斬新な学部を増やしていく計画という。それに加え、教育格差をなくす、勉強が不得意な生徒を強化してあげるということで、中卒者、高校中退者なども入学できるよう文部科学省と交渉していくそうである。

 現在の大学のあり方にかなり強烈な波紋を投げかけること必至のサイバー大学。社会人や定年を迎えた団塊の世代も大いに注目すべき学府である。願書提出は第1期が12月11日〜2007年1月26日、第2期が2月10日〜23日。合格発表(定員を超えた場合は抽選)は第1期が2月2日、第2期が3月1日。各学部の定員は600名。すでに公式サイトがオープンしているので、詳細が確認可能だ。高校生も、社会人も、定年退職した方も、興味のある人は、21世紀型のこの革新的な大学を目指してみてはいかがだろうか。
《デイビー日高》
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