KDDIと慶応大学、「IP over デジタル放送」を開発 | RBB TODAY

KDDIと慶応大学、「IP over デジタル放送」を開発

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左から、慶應義塾大学 常任理事・環境情報学部教授 村井純氏、KDDI 執行役員 技術統轄本部長 安田豊氏、エフエム東京 執行役員 仁平成彦氏
  • 左から、慶應義塾大学 常任理事・環境情報学部教授 村井純氏、KDDI 執行役員 技術統轄本部長 安田豊氏、エフエム東京 執行役員 仁平成彦氏
  • 今回開発した「IP over デジタル放送」システム
  • 「ネットサーフィン同期型ディスクジョッキー」アプリケーションの構成図。インターネットに直接接続できない機器へも一斉にホームページの情報を提供できるため、災害時の代替手段しての利用も可能
  • エフエム東京のデモコンテンツを使った「ネットサーフィン同期型ディスクジョッキー」のデモ。パーソナリティ(中央の画面)が紹介したWebページが、即座にリスナー(左右の画面)のWebブラウザに表示される
 慶應義塾大学、KDDI、およびエフエム東京は20日、デジタル放送上にIPネットワーク環境を構築する技術「IP over デジタル放送」を開発したことを発表した。

 今回開発された技術は、大きく分けると次の4つ。(1) IPネットワークのパケットをMPEG2-TSパケットのペイロードとしてIPカプセル化し、デジタル放送として一斉配信、(2) UDLR(Uni-Directional Link Routing:RFC 3077準拠)技術によって双方向のコミュニケーションを仮想的に実現、(3) デジタル放送上のIPマルチキャスト技術によって、ストリーミング配信やWebブラウザを同期、(4) IPv6のプラグアンドプレイによって、デジタル放送を受信したPC経由で別のPC上から視聴可能。

 3者の役割としては、慶應義塾大学が基礎研究・技術的課題検討、サービスモデル等の提案、普及・標準化に向けた活動を、KDDIがシステム開発および今後のオールIPネットワークとの接続・統合検討を、そしてエフエム東京が次世代放送サービスの可能性の検討および実験協力を行っていく。

 発表の冒頭で慶應義塾大学の村井純氏は、デジタルデータの伝播において現在はケーブル、ワイヤレス、放送波の3つの武器を我々は持っており、これら3つをインターネット上で組み合わせたときに新しい社会基盤の環境を整えることができると述べた。また、KDDIの安田氏は、同社が昨年発表した、オールIP化による移動と固定の通信網を統合する「ウルトラ3G」構想以降、今春にはワンセグ対応携帯電話を発売、さらに来月はデジタルラジオ対応携帯電話機を発売予定であり、今回の発表は同社の移動と固定に放送を加えたFMBC(Fixed Mobile Digital Convergence)に合致したものであることに言及した。

 現在、実際の利用シーンを想定したアプリケーションの開発もいくつか開発も完了している。その1つである「ネットサーフィン同期型ディスクジョッキー」では、放送局のパーソナリティが番組中、自分が閲覧しているWebページをリスナーのWebブラウザ上に一斉表示したり、またリスナーからのフィードバックをメールやブログで受け取って番組中で即時に紹介するといった、視聴者参加型の番組・サービスの提供が可能になる。また、こうした通信と放送の融合による新しいWeb 2.0型エンターテイメントのみならず、災害時等における地域別の非難警告の伝達や、安否情報Webサイトの一斉配信など、ライフラインとしての応用可能としている。

 なお、この技術を用いたシステムの展示およびデモンストレーションは、11月22日・23日に東京・丸の内で開催される「SFC OPEN RESEARCH FORUM 2006」で一般公開される。
《柏木由美子》

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