【Symantec Vision 2006 Vol.2】マイクロソフトとは良きパートナーであり続ける | RBB TODAY
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【Symantec Vision 2006 Vol.2】マイクロソフトとは良きパートナーであり続ける

エンタープライズ その他
米シマンテックの会長兼CEO、ジョン・トンプソン氏
  • 米シマンテックの会長兼CEO、ジョン・トンプソン氏
 2日に開催された「Symantec Vision 2006」の会場で、米シマンテックの会長兼CEO、ジョン・トンプソン氏がプレス向けQ&Aセッションを行った。ここでは、そこでの同氏の発言を紹介する。

−−インターネットの“脅威”の現状について

 接続された世界(Connected World)が発展するにつれて、そこでの脅威のあり方も変化しており、攻撃のモチベーションの変化が見られる。かつては、攻撃者の自己顕示欲というか、自分の技術力を試し、有名になりたいという動機からの攻撃も多かったが、現在では攻撃対象を絞り込み、経済的な利益を得ることを目的にした攻撃が目立つようになってきている。こうした状況の変化に対応し、シマンテックとしては革新的な技術で脅威に対抗しているところだ。

 米国で先行発売し、日本でも本日からダウンロード販売を開始した“Norton Confidential”は、オンライン・トランザクションの保護製品として世界初のパッケージだが、オンラインでのやりとりを保護し、一般消費者が安心してインターネットで取引を行えるようにする製品だ。インターネットの普及によって、新たなライフスタイルの可能性が拡がった。今後も健全な発展を維持するためにも、ネットワーク・インフラやネットワーク上でのトランザクションを確実に保護し、一般消費者の信頼を確保していくことが重要だと考えている。

−−マイクロソフトとの関係

 まず始めにはっきりさせておきたいが、シマンテックとマイクロソフトはこれまで良好なパートナーシップを維持してきたし、今後もよきパートナーであり続ける。

 EUや日本、諸外国の公正取引委員会などとのコンタクトは保っているが、正式にマイクロソフトを不当競争で訴え出たという事実はない。シマンテックとしては、消費者に公正な選択肢を提供することが重要だと考えており、それには、情報へのアクセスの保証、特にWindowsカーネルに対する無制限なアクセスが保証されることが、イノベーション実現のために必要だと考えている。

 最近になってマイクロソフトは、APIの提供、SP2保護機能をデフォルトでオフにすること、Windows Security Center機能もデフォルトでオフにするなどと発言しており、これについてはわれわれの主張が受け入れられたと感じ、心強く思っているところだ。もっとも、こうした発言に行動が伴うかどうかは、今後も注意深く見守っていく必要があるだろう。

 なお、マイクロソフトがセキュリティソフトウェア市場に参入してきても、それによって価格競争が激化したり、シマンテック製品の値下げを余儀なくされることになったりはしないだろう。無償ということでは、従来も無償製品はあったが、それでもシマンテック製品はユーザーから支持されてきているという実績がある。なんら問題はないと考える。

−−ハムレット(Hamlet)について

 ハムレットとは、現在開発中の製品の開発コード名だ。次世代のエンタープライズ・クライアント・セキュリティ・ソリューションとして計画している。従来からある、ウィルス保護やファイアウォール機能に加え、高度なコンテンツフィルタリング機能、高度な不正防止機能、エンドポイント・セキュリティやセキュリティ・ポリシー順守といった機能を統合的に提供することを考えている。シマンテックが長年培ってきた技術を搭載していると同時に、昨年8月に買収したサイゲート(Sygate)の技術も組み込んでいる。

 なお、ハムレットは先日発表したインテルとの提携によるvProプラットフォームでの仮想化を利用したセキュリティ機能とは独立した取り組みだ。シマンテックとインテルは強固なパートナーシップを確立した。vProプラットフォームに組み込まれるチップセットの機能として提供される仮想化機能を利用して、シマンテックのスキャニング機能をエンタープライズ・クライアント向けに提供することを計画している。インテルとのパートナーシップが確立してから、数か月に渡ってこのプロジェクトに取り組んでいるところだ。ハムレットのプロジェクトはそれ以前から始まっており、相互に関連を持ち、補完的な役割になるが、プロジェクトとしては全く別のものだ。
《渡邉利和》
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