【Interop2006】オールIP化でフラット化を乗り切る | RBB TODAY
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【Interop2006】オールIP化でフラット化を乗り切る

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ケータイもプリミティブサービスとリッチコンテンツサービスの2極化が進む
  • ケータイもプリミティブサービスとリッチコンテンツサービスの2極化が進む
 6月9日 Interop Tokyo 2006の会場で、KDDIの代表取締役執行役員副社長 伊藤泰彦氏による基調講演が行われた。

 KDDIは、かねてより2007年までに固定網のオールIP化を宣言しているが、なぜそれが必要なのだろうか。一般的な通信事業者のビジネスモデルは、旧来からの音声の通話料にみられる従量制とインターネットなどの情報サービスに普及している定額制の2つがある。従量制は、通信のトラフィックや帯域が増えていってもモデルを維持しやすいが、競争力や商品力が弱い。従量制は、商品力が強い反面、帯域が一定の線を越えると原価割れを起こす危険性をはらんでいる(帯域確保に必要な設備投資が料金から配分できなくなる)。

 そこで、より付加価値の高いサービスやコンテンツを提供することで、シェアの維持や拡大を目指し、あるいは有料コンテンツやサービスによるMNOビジネス、さらにはメディアとしての広告モデルを導入する必要がある。つまり、着メロや着うた。アプリケーションや動画配信といったビット単価が安く、収益に直結しやすいサービスによって、モデルを安定させなければならない。とくに動画コンテンツについては、地デジだけでなく、IP再送信による放送、VoDサービスなどケータイといえどもさまざまな映像サービスが受けられないと未来はないと見ている。

 そのためには、音声、データ通信などを含めたIPネットワーク(KDDIではこれをMMD:Multimedia Domainと呼んでいる)で構築する必要があるわけだ。KDDIでは、ウルトラ3Gをはじめ、技術的な問題はないとしている。問題は、著作権など法制面での環境整備と、全トラフィックの80%を占めるといわれているP2Pだという。

 伊藤氏は、ITにより加速するグローバリゼーション(=フラット化、米ジャーナリスト トーマス・フリードマン氏の著書による)が先進国のビジネスにさまざまな変革圧力をかけ、ビジネスモデルの変更を余儀なくされている現状にたとえ、KDDIではオールIP化と動画サービス、さらにPCインターネットとの連携、クレジット決済やセキュリティ端末といったケータイの「ID連携ポータル」による戦略を語ってくれた。
《中尾真二》
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