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インテル、「*Ts」に関する説明会を開催

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米インテルコーポレーション サーバ・テクノロジ&イニシアティブ マーケティング・ディレクター ローリー・ウィグル氏
  • 米インテルコーポレーション サーバ・テクノロジ&イニシアティブ マーケティング・ディレクター ローリー・ウィグル氏
 インテルは12月15日、*Ts(スター・ティーズ)に関する記者説明会を開催した。説明を行なったのは、米インテルコーポレーションのサーバ・テクノロジ&イニシアティブ マーケティング・ディレクターのローリー・ウィグル氏。

 *Tsは、このところインテルが取り組んでいるさまざまな先端技術の総称で、個々の名称がいずれも〜Technology(テクノロジ)で終わる命名となっていることから、ワイルドカードである“*”と“T”の複数形という意味合いで*Tsと呼ばれている。なお、ウィグル氏は、“*”をアスタリスクではなくスターと読むことで、数あるインテルの技術の中でもスター格の技術という意味も込められていると明かした。

 *Tsとは何か、という点に関してインテルは、「インテルのシリコンに実装され、エンド・ユーザーに動作周波数(GHz)で示される以上の全く新しいプラットフォーム機能を提供する一連の技術群。これらの技術群は、プラットフォームの設計や利用法の進化を象徴するものである。」としている。

 つまり、純粋なソフトウェア技術は含まれず、何らかのハードウェア機能を前提とすることと、必ずしもプロセッサの機能とは限定されず、プラットフォームの単位で提供されることが特徴だといえる。インテルは従来のクロック周波数向上を追求していく方針から、マルチコア技術などを活用して消費電力あたりの処理性能を向上させていく方向に大きく軌道修正を行なったが、大幅な周波数向上が見込めないという前提で、ユーザー・メリットを高めるための新たな付加価値提供策となるのが*Tsの存在意義だと考えてよさそうだ。

 説明会で言及された*Tsは、

・Intel Hyper-Threading Technology(HT)
・Intel Extended Memory 64 Technology(EM64T)
・Intel Active Management Technology(AMT)
・Intel Virtualization Technology(VT)
・Intel I/O Acceleration Technology(I/OAT)
・LaGrande Technology(LT)

の6つだ。ただし、HTとEM64Tは既に製品化されており、LT(デスクトップ向けのセキュリティ技術)はまだ時季尚早ということで、AMT、VT、I/OATの3種の技術が話題の中心となった。

 AMTは主として企業ユーザー向けの管理機能で、ハードウェア組み込みのマイクロコントローラとフラッシュメモリの組み合わせでPCの管理情報を保持し、遠隔からの参照などを可能にする。ハードウェアレベルで直接制御されるため、PCのOSが何であっても、PCの電源がオフになっている場合でも利用可能となるという。

 VTは、現在市場からもっとも注目されている技術で、現在ソフトウェアのみの機能で実現されている仮想化技術に対してハードウェアレベルの支援を提供することで、より容易に高機能な仮想化を実現できるようにするもの。インテルが新しい機能を作り出すというよりは、既存の仮想化技術に対する支援策と位置づけられている。具体的な利用例として、企業内のPCなどで、ユーザーが直接利用するOSとは別にセキュリティ機能を実行する仮想マシンを作っておき、ユーザーOSの動作に影響を受けることなく常時セキュリティ維持が可能になるようにする、などといった利用が構想されていることが明らかにされた。

 I/OATは主としてサーバ向けのI/O高速化技術で、主にネットワーク経由のリクエストに対するレスポンスの高速化を狙った技術だ。プロセッサ、チップセット、ネットワーク・デバイス、システム・ソフトウェアなどの改善を組み合わせて実現する。現時点でのテスト結果として、標準的なギガビット・イーサネットに比べてデータアクセス速度が30%高速化されたという。

 インテルでは、これらの技術をバラバラに提供するのではなく、相互に組み合わせて利用することでより大きな価値を提供するという。また、「テクノロジーのためのテクノロジーではない」(ウィグル氏)といい、エンタープライズ環境での実際の利用状況を踏まえ、現在の問題を改善し、「信頼性の高いサービス」「柔軟で高速なインフラ」「効率的で効果的なアプリケーション」といった具体的な目標を達成するための技術だと位置づけられている点も特徴だといえる。

 用途ごとに最適化されたプラットフォームに適切な技術を投入していくことで、インテルは今後到来が予想される用途別コンピューティングの時代を積極的にリードしていこうとしている。
《渡邉利和》
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