NTT東日本およびNTT西日本(以下、NTT東西)は、両社が提供している通信機器のうち、SOHO向け電話システムの一部機種において、特定の条件下で、緊急機関への通話終了後に緊急機関から「呼び返し」を行った際に電話機が鳴らない不具合があることを明らかにした。通信機器のソフトウェアの不具合によるもので、準備が整い次第、対策済みソフトウェアへのバージョンアップを実施するとしている。 110番と118番、および119番という緊急機関への通報においては、通報者が通話を終了して受話器を置いた後にも、しばらく回線を接続状態のままにし、各緊急機関の指令台から通報者を呼び出すことができる「呼び返し」という特有の機能がある。今回の不具合があった機種では、緊急機関への通報に支障はないものの、通信機器のソフトウェアの不具合により、緊急機関からの呼び返しで使用される信号を正常に処理しないため、通報者の電話機が鳴らないという。 この不具合はNTT西日本エリアにおいて、利用者から1件の申告があり判明した。ただし実際の緊急通報時ではなく、消防署との接続試験においてであったという。 現在までにこの不具合が確認されている機器は5機種で、対象となる件数はNTT東西で合計約9万件。 NTT東西では対策ソフトウェアを作成し、順次、対策済みのソフトウェアへのバージョンアップを実施するという。具体的な対応方法等については、準備が整い次第、Webページや電話連絡等で告知される。また、両社によるほかの機器についても、この事象が発生する可能性について調査を実施しており、今後、同様の事象が確認された場合は、すみやかに告知するとしている。 対象機器ならびに発生条件は以下のとおり。●対象機器 レカム・マルチメディアホームシステム FX レカム・マルチメディアホームシステム FX II ROUTER PHONE PACSIA II(NTT東日本)/SOHO ROUTER SYSTEM PACSIAI I(NTT西日本) Netcommunity SYSTEM AX Netcommunity SYSTEM X7000●発生条件・加入電話回線(アナログ回線)を利用している場合・通信機器の設定で「ナンバー・ディスプレイ」「ネーム・ディスプレイ」「モデムダイヤルイン」のいずれかのサービスを「利用する」に設定している場合