[Interop Tokyo] ブロードバンド普及で「カリスマ消費者」台頭も— パラダイムシフトを支える光サービス | RBB TODAY
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[Interop Tokyo] ブロードバンド普及で「カリスマ消費者」台頭も— パラダイムシフトを支える光サービス

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 NTT東日本の髙島元氏は、「失われた10年」はナローバンドでのネット利用と米国型経営を取り入れたものの「部分最適」に留まったが、今後は高い技術やブロードバンド・モバイルのインフラをベースに、「全体最適」のビジネスモデル構築が重要であると語る。
  •  NTT東日本の髙島元氏は、「失われた10年」はナローバンドでのネット利用と米国型経営を取り入れたものの「部分最適」に留まったが、今後は高い技術やブロードバンド・モバイルのインフラをベースに、「全体最適」のビジネスモデル構築が重要であると語る。
 Interop Tokyo 2005の基調講演には、連日、日本と世界の情報通信産業のトップクラスの話者が登壇している。6月9日午後には、東日本電信電話(NTT東日本)の代表取締役副社長・ビジネスユーザ事業推進本部長、髙島元氏が「ブロードバンドネットワーク・サービスの展開について」と題して講演した。

 最初に、日本のブロードバンドインターネットが世界の中でも最低クラスの価格を実現していることや、携帯電話のインターネット対応率が韓国と並んで世界でも突出した高い率であることなどをデータで示し、こうしたブロードバンドとモバイルの高い普及率が、日本の「失われた10年」からの脱却と変革を実現するものであるとした。すなわち、日本のIT投資が米国に次ぐ高さであるにも関わらず、その割に生産性が低いとされて来たのは、「失われた10年」にナローバンドでのネット利用と米国型経営を取り入れたものの、「部分最適」の効率化・合理化に留まったためであると指摘。今後は日本が持つ高い技術やブロードバンド・モバイルのインフラをベースに、各企業ならではの強みを生かす「全体最適」のビジネスモデルを構築することが重要であると語った。

 続いて、ブロードバンドのもたらすイノベーションとして、クリエイティブワークや自動車業界を例にしつつ、従来のシーケンシャルなワークフローが、ネットワークの導入によりコラボレーション形態へと変化した事例を紹介。さらに、サプライチェーンの各段階でこうしたコラボレーションが起きることにより、全体として大きなスパイラルを構成すると述べた。

 また一般ユーザーについて見ると、たとえばレストランなどに行く前にネットで調べるといった行動がライフスタイルとして定着していることを指摘。さらにこうしたユーザーは、事後にそのサイトを再訪問したり、場合によってはそのレストランなどについての評価を書き込むことが多くなっており、こうしたユーザーが発信する情報や、ユーザー間での情報交換といったコミュニティが形成されるなど、サプライサイドから提供するダウンロード情報だけでなく、ユーザーから発信するアップロード情報が増えて来ているとした。さらにブロードバンド化の中で、こうしたユーザーの中から、単なるアフィリエイトを超えた「カリスマ消費者」的な存在が頭角を現し、企業側に対して強い影響力を持つ人(インフルエンサー)となる傾向が進むと述べた。

 こうしたブロードバンドネットワークによるパラダイムシフトを支えるのは、アプリケーション・ミドルウェアプラットフォーム・インフラの各レイヤーから成る3層構造であると指摘。その中でインフラについては、ブロードバンド、モバイル(FOMA)、無線LANなどネットワークのシームレス化が重要であり、また特にブロードバンドについては、アップロードの重要性が高まるにつれ、ADSL(非対称デジタル加入者線)の名前が示す通りの「非対称」から、Bフレッツ(FTTH)のようにアップロードも高速な回線への移行が必要であるとした。

 NTT東日本ではこうしたFTTHの価値を「光サービスコンセプト」として、「もっと伝わる」「もっと楽しい」「もっと便利に」の3つに要約し、豊かな社会を目指して光サービスを展開していくとし、その例として「ひかり電話」が紹介された。
《小笠原陽介》
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