パラボラなしで移動しながら視聴できる衛星放送。来年からサービス提供へ(前編) | RBB TODAY

パラボラなしで移動しながら視聴できる衛星放送。来年からサービス提供へ(前編)

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パラボラなしで移動しながら視聴できる衛星放送。来年からサービス提供へ(前編)
  • パラボラなしで移動しながら視聴できる衛星放送。来年からサービス提供へ(前編)
 9月25日にモバイル放送と韓国SKテレコムは衛星放送の共同打ち上げの合意に達した。来年早々には打ち上げられるこの衛星からは、世界初のパラボラ不要で移動しながら映像・音声を受信できるサービスが託される。モバイル向けの衛星デジタルラジオ放送は米国で存在していたが、いよいよ映像も含めた衛星デジタル放送が国内で開始される。

 モバイル放送のモデルがこれまでの放送事業と異なる部分は、どこでも手軽に放送を受信するという点だ。衛星放送のため、サービスエリアは日本全国となる。また、受信においてもバラボラアンテナや巨大な地上アンテナ不要で番組が受信できる手軽さ、衛星と地上局のハイブリット構成により、衛星が捕らえられないビルの影でも受信できるユビキタス感。これまで存在していた放送の概念を超越し、日本全国どこでも放送が受信できる放送局をモバイル放送はめざしている。

 これらの要素を実現するために、モバイル放送は衛星から発射する電波を強くし、パラボラアンテナを不要とした。また、首都圏の高密度エリアで発生するビルの影にはいることによる不感地帯をなくすため、適切な場所に中継器(リピータ)を設置する。こんなアプローチをとった。解決するための方法は簡単ではあるが、実際に解決するためには、技術だけに限らず制度面でのアプローチも必要だ。それが、ここ数年間モバイル放送に課せられていた仕事だったが、ようやく諸問題を解消し2004年の衛星打ち上げが決定した。いよいよモバイル放送が動き出すときがやってきた。

地上波放送はユビキタスではない。どこでも放送を実現する

 モバイル放送で取締役を務める末永氏は、まさにモバイル放送のコンセプトを生み出した張本人だ。同氏は世界で初めて衛星放送をてがけるプロジェクトに参加して以来、30年に渡って国内初の実験用衛星放送開発など衛星放送中心のビジネスに携わってきた。その末永氏の言葉を借りれば、「地上波放送はリビングルームのもの」という。

 「放送というのは、本来はどこでも受信できるもの。しかし、実際は思ったようにどこでも受信できるものではない」という。たとえば、車にのってテレビやラジオを受信していると、車を走らせていくうちに受信できなくなる。また、受信感度も刻々と変化する。それは、固定したアンテナが配置できるリビングという場所を前提に放送が設計されているからだという。

 モバイル放送は、社名のとおりモバイルでの放送を実現させる会社だ。すべてがモバイルでの放送を受信するために設計されている。たとえば、地上波放送では視聴エリアが限定されるために、視聴エリアが全国の衛星放送を使う。また、放送を受信するために、動きながらパラボラアンテナを調整するなどナンセンスだ。このため、衛星の出力電波を高めて、パラボラアンテナでなくても受信できるようにしよう。また、首都圏ではビルの影に入ったりトンネルや地下街に入ることで電波が途切れてしまう。そこで、電波不感地帯ではギャップフィラーというリピータで電波を中継する。この強力な出力を持つ衛星とギャップフィラーというハイブリッドタイプの衛星放送こそがモバイル放送をモバイル放送とさせている部分となる。

モバイル放送 取締役 末永雅士氏



※文中の引用コメントはモバイル放送取締役の末永雅士氏
《公家幸洋》
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