[COMDEX Fall 2002速報（現地19日）]警察官用タブレットPC/ナショナル・セミコンダクターCEO基調講演

会場の入り口のパトカーの中にタブレットPC発見！

　COMDEXの会場入り口に止まっているネバダ州警察のパトカーは、実は展示ブースのひとつだった。TechAltはマイクロソフトのタブレットPCパートナー企業として警察官のためのタブレットPC「iX104」を発表している。

会場入り口のネバダ州警察のパトカー

　他社のオフィスユースのタブレットPCとは雰囲気が異なり、「iX104」は軍の備品と間違えるほど頑丈そうな筐体だ。警察官の安全を守るというコンセプトの元、Siemensが開発したロケーションシステム「ResponseMaster」でパトカーの現在地を示し、TechAltによるリアルタイムのワイヤレスビデオシステムでパトカーのオンボードカメラからの現場映像を、このタブレットPCで共有することができる。

　思えば、警察官の情報共有の唯一の方法は無線による音声のみだ。現在のメイン機能は、位置情報と現場情報の共有だが、今後はタブレットPC上で書類にペン入力して瞬時に送信するなど、迅速と正確が要求される事件現場で警察官を助けることになるだろう。

TechAltのオンボードカメラ技術

「iX104」のプロトタイプ

ナショナル・セミコンダクターCEOのブライアン・ハーラ氏基調講演

　チップメーカーのナショナル・セミコンダクター（National Semiconductor）のCEO、ブライアン・ハーラ氏は19日、基調講演を行った。ハーラ氏は、マイクロソフトのスマートディスプレイにおける技術提携をアナウンスしたほか、同じくマイクロソフトが提案するSPOT（スマートオブジェクト）の専用チップ開発におけるパートナーシップをアナウンスした。

ナショナル・セミコンダクターCEOブライアン・ハーラ氏

　SPOTとは、17日のビル・ゲイツ氏基調講演で発表された「よりシンプルでスマートな情報家電」のコンセプトのこと。具体的に、情報端末として機能する目覚まし時計などいくつかの「スマートオブジェクト」が紹介された。「スマートオブジェクト」は、小さいことも重要な要素であるため、ナショナル・セミコンダクターは専用チップを25セント硬貨（約2cm四方）大まで小さくした。さらに、これらのスマートオブジェクトのリリース日について、2003年の6月21日と正式にアナウンスした。

　ほかにも、ナショナル・セミコンダクターは毎年COMDEXでコンセプトデバイスを発表しているが（2000年はWebPad、2001年はOrigamiというPDA端末）、今年は「Geode」というペン入力デバイスを発表している。