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スピードネット。実験レベルで54Mbps屋外接続のめどつける。個人向けFWAは実効20Mbpsの世界が開く

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 9月4日より5GHz帯を使ったIEEE802.11a準拠の屋外接続実験を実施してきたスピードネットが、実験のようすを公開するとともに、屋外5GHz帯サービスに関して技術面でのめどをつけたことを明らかにした。スピードネットは年内予定で5GHz帯を使った54Mbpsの実験を続ける。実験内容は電波伝搬実験で、5GHz帯を使った屋外電波伝搬に関する面での技術的な問題点を解決する。

 本日スピードネットが公開した実験内容は、集合住宅群の中でのFWAを意識したもの。東京電力の開発センターを利用し、建物間に基地局と端末を設置して、5GHz帯無線においてもマルチパスを解決して通信ができていることを証明した。実験環境は地上高で2m程度にアンテナを設置し、基地局、端末間の見通し距離が40m程度というもの。サービス時の利用形態からはかなりかけはなれているが、実測の通信速度としては20Mbpsを超えており、3Mbpsのストリーミングファイルも問題なく転送できている。

5GHz帯の実験設備例を公開したスピードネット。集合住宅密集地を模倣するため、ビル間に基地局と端末を設置した。手前が基地局想定設備で、奥(画面右上)が端末側設備。基地局側は光ファイバに直結し、送受信を分けたデュアルアンテナで感度アップを狙っている。アンテナ自体は水平方向に180度の指向性を持つもの。


 スピードネットは今回の一連の実験を通し、既存の2.4GHzサービスで利用しているセルサイズの500〜800mで5GHz帯サービスも提供できるめどがついたとしている。スピードネットの描く5GHz帯サービスは、「既存サービスのセルサイズである500〜800mにおいて20Mbps以上程度の実効速度」(スピードネット 技術部 技術開発グループ 野村浩史氏)を目標としており、技術的には問題なく解決できている。

 具体的な5GHz帯サービスは実験の結果を元に検討していくとしているが、「法的な制約から5GHz帯ではリピータを使えないことが大きな問題」(同グループ グループマネージャー 郷地元博氏)としており、技術面での問題部分はないものの、法律面での足かせが現実的なサービスの不平等につながる可能性を示唆した。実際、同社では2.4GHz帯を利用したサービスにおいて、マンション群の密集している部分ではリピータを使ってサービスを提供しているこからも、同様な設備設置がとれない限り、これまで同様に集合住宅の密集地へ安定したサービスの提供は難しくなる可能性が生じてくるといえそうだ。

 スピードネットにとって、5GHz帯での802.11aに準拠した広帯域サービスの投入は、最近おされぎみのADSLに対しての挽回策ともなる。特に、クリーンな周波数帯である5GHzを利用することで通信速度も実効で20Mbpsとこれまでの10倍以上の帯域が使えるようになるほか、ノイズによりこれまでサービスが提供できなかったエリアでもサービスを提供できる可能性が生じてくる。

 スピードネットの実験は、年内限り続けられるため、5GHz帯を使った商用サービスは早くとも来年4月以降とみられている。5GHz帯サービスは、ADSL不達地帯にブロードバンドインフラを持ち込むインフラになりうるのか。その行方が期待される。
《RBB TODAY》
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