アイシロン、新シリーズ投入でプラットフォーム拡大を狙う! | RBB TODAY
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アイシロン、新シリーズ投入でプラットフォーム拡大を狙う!

エンタープライズ その他
アイシロン・システムズの代表取締役 瀧口昭彦氏
  • アイシロン・システムズの代表取締役 瀧口昭彦氏
  • 米アイシロン・システムズ エンジニア部門バイスプレジデント ポール・ラザフォード氏
  • 2011年までにフェイルベースで必要なストレージはさらに膨らむ傾向に
  • アイシロンの取り組み
  • 総所有コストが重視される
「昨今の厳しい経済環境のなかでも、着実にレベニューは伸びている。今回の製品は、ビジネスを拡大し、次のステップに入っていくものだ。アイシロンの製品にはOneFSというコアのソフトがあり、ワールドワイドで1000社(日本では15%くらい)の顧客に使っていただいているが、アプリケーションに適した製品でプラットフォームを拡張していく」

 アイシロン・システムズの代表取締役 瀧口昭彦氏はこのように語り、ストレージ市場に対する攻めの姿勢を見せた。

 来日していた米アイシロン・システムズ エンジニア部門バイスプレジデント ポール・ラザフォード氏は、同社の新製品投入のカテゴリーを3つに分類した。ハイパフォーマンスが要求される「制作とキャプチャ」、高いスループットと拡張性が必要な「プロセス」、オンラインアーカイブとディザスタリカバリなど「アーカイブ」だ。

 まず、ハイパフォーマンスが要求される「制作とキャプチャ」分野には、新たなシリーズとして“Sシリーズ”のラインナップを配置し、今回「Isilon IQ 5400S」を投入する。同社では最も要求の高いトランザクション処理アプリケーション向け、としている。シングルファイルシステムで100万以上のIPOSと30GB/秒を超えるアグリゲーションスループット、15000RPMのSASドライブ、シングルボリューム/シングルファイルシステムで最大518TB(96ノード)までの拡張性を持つ。また、4つのギガビットイーサネット対応フロントエンドネットワーク、InfiniBand対応バックエンドノード間接続、ノードあたり最大16ギガバイトのグローバルコヒーレントキャッシュ(OneFS利用)を搭載する。主な特徴をまとめると以下の通り。

●Isilon IQ 5400Sの主な特徴
・2U Isilon IQノード
・容量540GB、回転数15,000、転送速度3GbpsのSASドライブを12台搭載(1ノードあたり5.4TBの容量)
・マルチコアIntel Xeon 2.33GHz×2
・16GB SDRAM
・1000Base-T×4
・DDR InfiniBandによるノート間通信
・16TBから500TB以上の拡張性
※3ノード(最小クラスタ) 16.2TB/48GBメモリ/6U、96ノード(最大クラスタ) 518.4TB/1536GBメモリ/192U

 また「プロセス」分野には、すでに市場に投入しているXシリーズの最上位製品として「Isilon IQ 36000x」を発表した。最大3.45ペタバイトの容量と30GB/秒のスループットを実現し、これまでのXシリーズの製品と比べるとノードあたりの容量は3倍(36TB)となっている。

●Isilon IQ 36000xの主な特徴
・4U Isilon IQノード
・容量1TB、回転数7,200、転送速度3GbpsのSATAドライブを36台搭載(1ノード 4ラックユニットあたり36TBの容量)
・マルチコアIntel Xeon 2.33GHz×2
・8GB SDRAM
・1000Base-T×4
・DDR InfiniBandによるノート間通信
・最小構成:7ノード構成(最小クラスタ) 252TB/56GBメモリ/28U、96ノード(最大クラスタ) 3.456TB/768GBメモリ/384U

 「アーカイブ」には新シリーズとして“NLシリーズ”を投入、「Isilon IQ 36NL」を発表した。コスト効率を求め、大容量のアーカイブを実現する製品する製品で、36TBの物理ストレージを4Uに搭載し、シングルファイルシステムで3.45PBまでの拡張性を持つ。同社では、複数のアーカイブシステムを所有する必要がなくなり、運用コストを改善するとしている。

●Isilon IQ 36NLの主な特徴
・4U Isilon IQノード
・容量1TB、回転数7,200、転送速度3GbpsのSATAドライブを36台搭載(1ノード 4ラックユニットあたり36TBの容量)
・マルチコアIntel Xeon 2.33GHz×1
・4GB SDRAM
・1000Base-T×1
・DDR InfiniBandによるノート間通信
・最小構成:7ノード構成(最小クラスタ) 252TB/28GBメモリ/28U、96ノード(最大クラスタ) 3.456TB/384GBメモリ/384U

 ちなみに中核となっている“OneFS”の最新バージョン「OneFS 5.0」(昨年発表)では、対称型マルチプロセッシング(SMP)に対応、単一ファイルシステムと単一ボリュームで最大20GB/秒のパフォーマンスを実現し、2.3ペタバイトまでの容量拡張に対応している。

 ラザフォード氏は、データ量の増加について次のように解説。2008年にはじめてファイルベースのストレージデータがブロックベースのストレージデータと同等になり、2011年になるとフェイルベースで必要なストレージはもっと大きく膨らんでくる。同社が焦点を当ててきた業界は、非常に大きなデータを持っている市場だったが、前述の問題は業種限らず多くのところで問題になり、同社の多くの顧客もこのデータ量の増加に懸念をもっているという。

 これらの状況に対して、多くのファイルシステムを構築していくとなると、比例して多くの管理者が必要になる。電力、冷却への考慮も行っていかなくてはいけない。ラザフォード氏は、「アイシロンはこれらストーレイジへの(管理者の)取り組み方を“変えた”」と強調した。「つまり多数のファイルシステムを設置するのではなく、拡張可能な1つのファイルシステムにする。顧客の成長規模にあわせてスケールアウトする、、オンデマンドベースで拡張する。これらがアーキテクチャーの性質上可能で、資本投資や運用コストも削減していくことができる」とメリットを挙げた。

 また、長期的にTCOを考えた場合には他社との間に大きな差が生まれると話した。ストレージは多くの場合、初期の購買コストにフォーカスされる。しかし現実にはストレージのコストは2年目、3年目、4年目と発生していく。アイシロンの製品はディスクドライブのキャパシティーを効率的に使う、つまり稼働率の良さがあるとする。「例えば1TBのストレージを購入すると、実際にアクセスできる容量は800GBになる。他社(従来型のNAS)では、400〜500GB。ということはより多くのストレージを購入する必要が生じる。その数が増やしていくと、スペース、電力、冷却などの必要性が生まれ、システム全体が複雑になってくる。管理などにかかるオーバーヘッドコストもかかる」とする。

 Isilon IQ 36000xでは1ラックあたりの容量が33%増加しており、Isilon IQ 36NLではプライマリーストレージより低い購入費用とTCO(80%以上のストレージ使用率)、Isilon IQ 5400sでは従来のNASよりも30%以上すぐれたコストパフォーマンスを実現するとした。

 なお、同社では従来のクラスタードストレージという言葉に加え、スケールアウトNASという言葉を使うことが多くなっている。が、同社の説明によると、その言葉はアーキテクチャを説明するものではなく、マーケットのカテゴリーであるという認識だ。クラスタードストレージのアーキテクヤーの革新はOneFSによって実現されると話した。
《小板謙次》
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