G DATA Softwareは9日に、2008年の第2四半期のマルウェアレポートの速報を発表した。 それによると、遠隔操作ソフト(バックドア)を仕込まれたりウィルスに感染したりしたままの、いわゆる「ゾンビPC」の所在が、ヨーロッパからブラジル・トルコ・中国に移行しはじめていることが判った。今年4月時点の調べではドイツが1位だったが、今回は、前回3位のブラジルが10.2%で1位になっている。ドイツは9.3%に減少し2位となった。前回2位のイタリアも同じく8.9%に減少し3位。その一方でトルコと中国が微増し4位、5位となるなど、不正侵入者側の狙いが、西欧から別地域に移行しつつあることが伺える。なお2008年第2四半期では、1日平均500万〜1,000万台のゾンビPCが稼働していたと推定されている。 同速報では、受信メールにおける「スパム」の割合に関する調査の結果も報告されている(ドイツのジーデータ・セキュリティ・ラボにおける検証)。それによると2008年1月には60%だった割合が、3月には80%、4月には94%にまで上昇したとのこと。その後、6月に入って87%とやや落ち着いたものの、スパムメールは今後も上昇するおそれがあり、注意が必要だ。スパムメールの内容については、バイアグラをはじめとした精力剤関連が約1/3をも占め、続いて「薬」(22%)、「ブランド品」(21%)となり、上位3項目で全体の約3/4を構成している(2008年1〜6月の統計)。