韓ドラ『殺し屋たちの店』完結!衝撃のラストをあなたはどう思ったか? | RBB TODAY
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韓ドラ『殺し屋たちの店』完結!衝撃のラストをあなたはどう思ったか?

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『殺し屋たちの店』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話/毎週水曜日2話ずつ配信)(c) 2024 Disney and its related entities
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 混乱、安堵、疑問、期待……。7日の晩、ディズニープラス スター韓国ドラマ『殺し屋たちの店』最終回を鑑賞後、様々な感情が脳内を駆け巡った。

 本作は、主人公チョン・ジアン(キム・へジュン)が叔父チョン・ジンマン(イ・ドンウク)を亡くし、殺し屋御用達ショッピングモールという遺産を引き継いだことで命を狙われるようになる、という物語。かなり思い切った結末だったのだが、それについて率直な感想を述べていきたいと思う。
(以下、壮大なネタバレあり)

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■筆者プロフィール
山根由佳
編集者・校正士・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ&映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X(Twitter):@ymndayo


点と点が繋がって線になり、新たに生じた疑問点



『殺し屋たちの店』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話)(c) 2024 Disney and its related entities


 7話では、これまで断片的だった場面が、歯抜け部分の捕捉と共に、順を追って描かれていく。ベイル(チョ・ハンソン)を殺そうとしたジンマンは傭兵組織「バビロン」の裏切り者として追われるようになり、逆襲に燃えるベイルは、ジンマンの家族、ジンマンがベイルの殺戮から救ったミンヘ(クム・ヘナ)、ジンマンの仕事仲間のホンダ(パク・ジョンウ)など、ジンマンのすべてを奪い尽くそうとする。ジンマンは窮地を切り抜けてからジアンを救出し、上司を脅して休戦へと持ち込むが、いくら「バビロン」が手を引いてもベイルは戦争をやめないと想定し、長期戦略でいくことに。元同僚パーシン(キム・ミン)と共に要塞を創り上げ、ミンジを一流の殺し屋に仕立て、亡きホンダの弟ブラザー(イ・テヨン)と共に武器販売ECサイトを立ち上げるのだった。

『殺し屋たちの店』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話)(c) 2024 Disney and its related entities


 これまで家やショッピングモールの設備等を通し、ジンマンがいかに用意周到であるかが示唆されてきたが、7話によって、常に相手の数歩先を読める、頭の回転の早い人物であることが改めて分かっていく。そこで浮かんでくるのが、ジンマンがぽっと出のぺ・ジョンミン(パク・チビン)の罠になぜハマるのか、という疑問点。特に8話、ジョンミンの雑魚さが際立ったところで、「こんな浅はかな奴に騙されるはずがないのでは」という想いが強くなっていく。だからこそ、あのラストは腑に落ちる。

ジンマンの「よく聞け、チョン・ジアン」をまた聞きたい



 と言いつつも、最初にラストシーンを観た時は心底驚いた。実はジンマンの自殺映像が出てきた時点で淡い希望を捨てていたため、ジアンが強力な味方たちと共にベイルや「バビロン」との戦いに挑むのか、それともジンマンの意思を継いだ誰かが「すべて終わらせた」と伝えにくるのか……など、完全に“ジンマン生存説”を抜きに予想していたからだ。この物語で初めて現在のジンマンの姿がお目見えとなり、混乱したと同時に嬉しく思い、そして次に、どんなヒントを見落としていたのかと考えさせられた。

『殺し屋たちの店』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話)(c) 2024 Disney and its related entities


 冷静になって振り返ってみると、そもそもブラザーを雇っているのにも関わらず、倉庫整理のアルバイトを募集し、雇ったばかりのジョンミンに機密情報満載のパソコン修理を依頼するという点からおかしい。また、ジンマンはジアンに対し、ピンチになったら「チョン・ジンマンと3回言うこと」を徹底させてきた。となると、ジンマンがジョンミンの生成した偽装ボイスメッセージ(「叔父さん助けて、知らない所に監禁された」)を聞き、違和感を感じないはずがない。ジョンミンもジアンも目視確認したジンマンの死体だが、裏社会の流通を牛耳るジンマンならば、仮死状態となる薬の手配や、事故現場・死体安置場・葬儀場の偽装工作は難しくないだろう。

 ところで葬儀場の工作と言えば、1話目、葬儀場でジアンに火を貸した大男の存在がずっと頭に引っかかっていた。演じたパク・グァンジェは、『ムービング』や『ヴィジランテ』などで体格を活かしたダイナミックなアクションを繰り広げていたことが記憶に新しく、ジアンの最後のピンチに現れて大暴れしてくれるのではないかと考えていた。しかし、まさかの清掃員だったとは。1話目では、イエローコード保持者としての任務を遂行していたのだろう。見事なミスリードだっだと思う。

『殺し屋たちの店』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話)(c) 2024 Disney and its related entities


 話をもとに戻すが、ジンマンが怪我を負っていた様子を見る限り、ベイルや「バビロン」の件は、誰もがショッピングモール戦争に意識がいっている間に、ジンマンがひっそりと片を付けたのだろう。ジンマンの家やショッピングモールの具体的な仕掛け、ジンマンが画策した長期作戦の概要など、明かされていない点は多いままだ。ただ、具体的な説明を振り返るという野暮なことはせず、視聴者側の想像力に委ねた余白のある結末にしたのが、トリッキーな構成で突き進んだこの作品“らしい”終わり方だったと思う。このまま完結するのも粋だが、ジンマンとベイルがどのような死闘を繰り広げたのかは気になるし、ジンマンとジアンが二人三脚で店舗を経営していく姿も見てみたい。せっかく2人とも生き延びたので、ぜひシーズン2へと続いてほしいものだ。

ソ・ヒョヌの演技は助演俳優賞に値する



 脚本も演出も優れていたが、役者達の演技も、全員が同じベクトルを向きつつ、それぞれ熱量をもってキャラクターを創造していることが画面越しに伝わってくる、素晴らしいものだった。

 ジンマン役のイ・ドンウクと言えば、ラブストーリーの主役にふさわしい、美しいビジュアルが目を引く俳優だ。今回はロマンスの発生しない立ち位置だったが(ミンヘとの云々はさておき)、それが彼の新たな魅力を引き出していたと思う。農具用品の販売業を営むモサッとした雰囲気で、パジャマでダラけきっていたり、口うるさい部分があったり、主人公との関係性だからこそ見られる姿が、これまでのドンウクのイメージにはなく新鮮。一方で、任務を颯爽とこなしたり、家族たちを守るために戦ったり姿は当然の如くカッコ良く、そのギャップがたまらない。「私にもあんな叔父さんがほしい」と何度思わされたことか……!

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 ジアン役のキム・ヘジュンに関しては、ドラマ『キングダム』での王妃役の印象が強いのだが、その際はあどけない顔立ちとは裏腹に、政権争いの渦中をしたたかに生き抜く冷酷なキャラクターに憑依していた。そのため、1・2話鑑賞後にジアン役について調べ、同一人物だと知って驚いた。近所にいそうなごく普通の大学生役が、あまりにも馴染んでいたからだ。叔父との攻防は体を張ってコミカルに、パーシン師匠とのトレーニングはリアリティたっぷり、特殊な状態に放り込まれた時の条件反射がこちらに感情移入をさせるほど自然体で、新境地を切り拓いたと言えるだろう。もちろん、その合間に持ち味であるクールな表情も見ることができるのだが、その安定感は流石であった。

『殺し屋たちの店』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話)(c) 2024 Disney and its related entities


 ミンヘ役クム・ヘナとパーシン役キム・ミンは、とにかく身のこなしに説得力があってアクションが絶品だったし、ベイル役チョ・ハンソンの“ただいるだけ”で恐怖心を抱かせる凄みには舌を巻いた。だが、キャラクターとしての奥行きを最も感じたのは、ソ・ヒョヌ演じる狙撃手イ・ソンジョである。

 ジンマンとベイルの確執を中心に描いた5・6話の鑑賞後、彼への印象は1話目から醸成されてきた「チョン家にとっての死神」ではなく、「たまたま人を殺す仕事をしているけれど、仲間思いで親しみやすい奴」へと変わった。孤児の彼にとって「バビロン」のチームメイトこそ家族であり、意見が食い違ったとしても各々の個性を受け入れ、大切に想ってきた。また、緊張感のある場面を和らげる、ムードメイカーでもあった。しかし、7話で彼が悪人であるという現実に引き戻される。ジンマンの裏切りを知り、最も傷つき怒っていたのはソンジョのようだった。計画を立案・先導し、実際に手を下す場面も多く、“可愛さ余って憎さ百倍”となってしまったことが伺える。すでに息絶えたホンダの腕を斧でぶった切って金のメリケンサックを奪うなど、卑しさや残虐性も顕著に。きっとジンマンとベイルの対決により、悪しき部分が完全に引き出されてしまったのだろう。そしてジアンの最終決戦の相手となったのが、彼である。接近戦になったわけだが、これが本作のハイライトであった。

『殺し屋たちの店』ディズニープラス スターで独占配信中(全8話)(c) 2024 Disney and its related entities


 ヒョヌは記者会見で“一撃必殺のアクション”だったから他のキャストと比べてトレーニング内容が軽かったと匂わせており、「生き残ることが目標のキャラクターだったので、アクションスクールでは、避けるために転がる練習をたくさん行ない、吐き気を催した」と笑いを取っていたのだが、今思うとこれらの発言は我々を油断させるためであった気がする。

 8話中盤、それまでゆったりとした足取りだったソンジョが、トレードマークだったロングコートを脱いだ時。これまでと打って変わって俊敏な挙動を見せ、目を丸くした。隙のない構えでジアンを追い込んでいく姿はまさにプロフェッショナルで、敵ながら天晴れ。ジンマンやジアンに対する家族愛や「バビロン」時代への郷愁の思いも入り混じる、哀愁漂う語らいにも心を揺さぶられた。『殺し屋たちの店』は、間違いなくヒョヌにとっての代表作になったと言えるし、何らかの授賞式で助演俳優賞に受賞されるべきだと思う。そして最後に一言言いたい。ソンジョ、「成仏しろよ」。

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《山根由佳》
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