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入手困難だった本やマンガがよみがえる「デジタル復刻」とは?

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入手困難だった本やマンガがよみがえる「デジタル復刻」
  • 入手困難だった本やマンガがよみがえる「デジタル復刻」
  • 少年ジャンプでは、アプリ「少年ジャンプ+」で読むことができる作品を現在も次々とデジタル復刻している。
  • デジタル復刻された小学館の保育絵本『ははをたずねて』。厚紙に印刷されていた懐かしの絵本がいまはタブレットやパソコンで読むことができる
■復活した15年前の少年ジャンプ

2014年11月、超人気劇画『NARUTO−ナルト−』が完結した。このとき、これを記念して『週刊少年ジャンプ』があることを行って話題となった。それが『NARUTO−ナルト−』の連載がスタートした『週刊少年ジャンプ』1999年43号の「デジタル復刻」の無料配信だった。

15年前の『週刊少年ジャンプ』を丸ごと再現したのだ(そこには『ONE PIECE』や『ヒカルの碁』や『るろうに剣心−明治剣客浪漫譚−』などたくさんのマンガもそのまま掲載されていた)。ただし、紙ではなく、デジタルで。だから、それは『週刊少年ジャンプ』専用の電子書籍リーダーであるアプリ「少年ジャンプ+」上でしか読めなかったのだ(期間限定なので現在は読めない)。

「復刻」というのは、すでに販売もされず、入手が難しい昔の本を、まったく同じに作り直すことをいう。たとえば、100年前の本を「復刻」するということは、当時のものとデザインも書体もまったく同じものを作って印刷するということなわけだ。それが「デジタル」ということは、紙に印刷するのではなく、電子書籍としてデータ化するということになる。

→こちら ■コンサートのパンフレットも「デジタル復刻」

もしも、『週刊少年ジャンプ』1999年43号を普通に「復刻」していたら、紙に印刷して製本し、書店で売らなければいけないので、作業的にもビジネス的にも大ごとだ。でも、「デジタル復刻」なら、『週刊少年ジャンプ』1999年43号をページごとにスキャンし、補正してきれいにし、電子書籍としてデータ化するだけだから低コストで済む。だからこそ無料配信ができたのだ。

Kindleなどの電子書籍リーダーやiPadなどのタブレット、そして電子書籍配信サービスの普及とともに、この「デジタル復刻」が盛んになってきたのが最近のトレンドだ。昔懐かしい本が続々と「デジタル復刻」されている。

たとえば、いま人気なのが50代以上の人が子どものころに読んでいたに違いない、懐かしの『小学館の保育絵本』シリーズ。『ヘンゼルとグレーテル』や『ははをたずねて』が「デジタル復刻」され、安価で販売されている。

「デジタル復刻」されるのは本ばかりじゃない。人気ミュージシャンの歴史的コンサートのパンフレットなども「デジタル復刻」されて売られているのだ。

■元祖「デジタル復刻」はCD

さて、この「デジタル復刻」という言葉、実はそんなに新しいわけじゃない。おそらく、1990年代後半にはこの言葉が使われ始めていた。もちろん、そのころは電子書籍などなかった。ではなにを復刻したのかというと、アナログレコードだ。音楽メディアがレコードからCDに移行したときに、過去のアナログ名盤を「デジタル復刻」と称してCD化したのだ。その次はビデオテープがDVDに移行したとき。このときも「デジタル復刻」として過去の名画などがDVD化されたのだ。

いまやCDもDVDも「デジタル復刻」し尽くされ、「デジタル復刻」といえば紙の書籍から電子書籍への変換という意味で使われることがほとんどだが、CD復刻ではこんな嬉しい取り組みもある。それはSonyMusicが行っている「オーダーメイドファクトリー」だ

こちらはすでに廃盤になって入手困難なタイトルのなかで、希望者が一定数になったものを復刻して商品化するというもの。サイトには昭和のアイドル、フォーク、ニュー・ミュージックなど、懐かしのタイトルがずらりと並んでいる。本やマンガでも、こういったリクエスト数に応じた「デジタル復刻」サービスがあったら嬉しいんだけど・・・・・・。


文:太田 穣

入手困難だった本やマンガがよみがえる「デジタル復刻」

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