「ENEX2012」が1日、東京ビッグサイトで開幕した。同展は省エネ関連の展示会だが、その中に74歳の女性社長が開発した商品が展示されていた。平耀(本社・東京都港区)のブースにある電動シニアカー『パルパル』がそれだ。「私は昔からものをつくるのが好きで、これまでいろいろなものをつくってきました。これからさらに高齢化が進むので、その人たちが安全に移動できる乗り物をつくろうと考えたんです。それで、年寄りである私の目線に立って開発しました」と内山久美子社長は話す。同社長は別に文房具会社を経営しており、この電動シニアカーを販売するために平耀を昨年4月に設立した。完成したのは3年前だったが、3年かけてさまざまな試験を行い、今年6月ようやく発売することになったという。バッテリーは鉛電池で、1回の充電で25kmの走行が可能。スイッチ類は年寄りがわかりやすいようにイラストを使用。「ぼけても大丈夫なように安全性を重視した」そうだ。しかも、車で運べるように簡単に分解できるようになっている。価格は13万8000円。「2年後にはこれを改良して、28km/hで走れるものを発売しようと考えています」と内山社長。その開発への情熱は衰えることを知らない。