電子出版時代に変わる編集の役割……博報堂DYメディアパートナーズ・半田氏
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半田氏は、広告市場がピーク時の7兆円から5兆円規模まで下がっている現状を訴え、非常に厳しい状況にあると前置きした。しかし、電子出版やソーシャルリーディングが新しい可能性を開くという。
新しいビジネスの前提として、まず電子出版が何をできるのか、読者に何を提供できるのかを考える必要があるとして、半田氏は、「買える」「行ける」「つながる」「オススメしてくれる」の4つの要素を挙げた。これらは既存の出版物やメディアでも行っていることだが、電子出版なら掲載記事や広告から直接ECサイトに行くことができ、読者や編集部、メーカーなどとも掲示板やコミュニティツールを利用してつながることもできる。またコミュニティからは、さまざまなレコメンド情報を得ることができる。地図サービスやGPSなどの位置情報と組み合わせて、その商品を買いにいったりイベントに参加したりといったことも可能である。
広告においても、従来は広告主、媒体、読者と一方的かつ直線的な流れでしかなかったものが、共通の編集テーマを中心に、情報、ECサイト、店舗、コミュニティを相互に結びつけ、面での展開を可能にするという。つまり、これらを連携させた編集テーマごとの「場」全体をひとつのメディアとしてとらえて、複合的な広告ビジネスの創出を目指す。
その共通のプラットフォームになりうるのが電子出版ではないかというのが半田氏の主張だ。現在でも紙媒体でこのような試みをしているものは存在しているが、得た情報やURLをブラウザに入力したり、紙からWebへの手作業変換が必要となっている。
実例として「Mart」という雑誌がブームに火をつけた「食べるラー油」や雑誌「Lee」の「100人隊」という取り組みを紹介した。Martは読者会員とWeb会員というしくみを導入し、面接を受けた読者に新製品の体験や評価をしてもらい、それをレポートしてもらう。雑誌の記事とコミュニティの書き込みをフックに読者にブランド体験を共有してもらっている。Leeの100人隊も読者から選ばれたレビュアーだったり情報提供者だったりする。
これらの媒体に共通していることは、編集部はコンテンツを編集するというより、コミュニケーションを編集する役に徹していることだそうだ。コンテンツはむしろ読者が提供する。出版社や編集部がソーシャルマーケティングを導入する場合、コミュニティサイトの運営や管理は、別部署が行うことが多いが、ソーシャルリーディングの考え方では、この部分は編集部が主体となって行うべきだと強調する。
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