日本館内部を初披露――上海万博会場でひと際目を引く「紫蚕島」 | RBB TODAY
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日本館内部を初披露――上海万博会場でひと際目を引く「紫蚕島」

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副館長の花田美香さん
  • 副館長の花田美香さん
  • 写真右側、波型の屋根の先が日本館
  • 工事中の日本館
  • 工事中の日本館、クレーンの先の黒い部分が太陽電池
  • 内部、エコチューブで膜を支える
  • 雨水をためて利用する
  • 来場者が並ぶ予定の場所
  • 展示イメージのパネル
 5月1日開幕の上海万博の会場を高いビルから見下ろすと、中国国内での愛称募集で「紫蚕島」(日本語での通称「かいこじま」)とネーミングされた日本館がひと際目を引く。

 日本は、日本政府、JETRO、そして22の協賛企業・団体を交えた官民一体で、「こころの和・わざの和」をテーマに、敷地面積約6,000平方メートル、高さ約24メートルの海外万博出展史上最大規模の日本館から「つながろう!調和のとれた未来のために」のメッセージを発信する。日本が万博において官民一体でパビリオンを運営するのも今回が初めてという。一足早く会場入りしている副館長の花田美香さんが、日本の取材は初めてという、建設中の館内を案内してくれた。

 日本館は、「縁の下」や「打ち水」といった日本古来の自然との共存の知恵と、最先端の環境制御技術や素材技術を組み合わせることで、太陽光や雨水を利用し、自然に空気の入れ替えを行うなど、自然の力を最大限に利用した、環境に配慮したパビリオンとなっている。人口的な霧を発生させ、暑い夏の来場者に、涼しい環境を提供する計画もある。

 ユニークなドーム型の日本館は、北京オリンピックの水泳会場でも使われた膜で覆われ、その透光性の高い膜材で太陽電池を内包することで、効率よく光を伝達し、発電するという仕組みだ。外観の基調となる紅藤色は、太陽を象徴する赤と水を象徴する青の和により生まれる自然の色で、外観は日光の変化や、夜景の演出で、さまざまに表情を変えるという。

 展示は3つのゾーンに分かれ、ゾーン1は「つながりの驚き」をテーマに、遣唐使の時代を中心に、日本の文化が中国の文化と交流しつつ発展してきた姿をグラフィックに映像を重ねて表現。来場者は、動く絵巻のような空間を歩く感覚を楽しむことができる。ゾーン2は「知のつながりと心のつながり」をテーマに、四季豊かな自然との共生を特色とする日本の文化や現代のダイナミックな都市の様子を紹介。地球環境問題の解決に向けた先端技術や、技術だけでは解決できない問題を解決に導く人々のつながりと活動を、最先端の技術や装置の実物の展示、体験型展示、映像や造形を組み合わせた空間演出で展開する。ゾーン3は「心のつながりと未来の調和」をテーマに、日本と中国が協力して保護活動を行うトキをモチーフに、里山を舞台としたプレショーと、日本の伝統的な木造の演劇空間によるメインショーを実施。中国の昆劇と日本の能のコラボや、ロボットや映像などの分野の世界初、世界最大級となる様々な未来技術が体験できるという。

 ところで、レストラン不足も心配される上海万博だが、日本館にはホテルオークラの和食レストラン「山里」が出店し、本格的な和食を提供する。客席数は94席(一般席60席、個室26席、鉄板焼きカウンター8席:1月発表の資料より)で、価格帯は2,000円~10,000円。日本館には来場者専用のトイレはないが、レストランにはトイレも設置されるという。

 日本館では5月1日~10月31日の184日間で、400万人の来場者を目標に掲げている。花田美香副館長によると、官民一体での万博出展は初めてで、今回ほど多くの方がかかわったパビリオンも初めてなので、その分注目度も高く、様々な調整に苦労したという。それでも「人気パビリオンになるよう一同頑張ります」と、意気込みを語ってくれた。

 日本館には、以下の企業・団体が協賛している。

 キヤノン/トヨタ自動車/パナソニック/小松製作所/資生堂/東芝/日立製作所/ブリヂストン/社団法人日本貿易会/電気事業連合会/日本電信電話・NTTドコモ/富士通/三菱グループ/イオン/社団法人日本鉄鋼連盟/住友化学/全日本空輸/東レ/TOTO/日本電気/本田技研工業/森ビル

 なお、上海万博には日本館のほか、日本の民間企業や自治体が連合して出展する日本産業館も出展される。

協力:杭州市旅游委員会・ANA全日空
《編集部》
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