東芝、磁性体メモリMRAMのギガビット級大容量化に向け、新型MTJ素子を開発

2007年11月6日(火) 17時38分
新型MTJ(Magnetic Tunneling Junction)素子の素子構造の画像
新型MTJ(Magnetic Tunneling Junction)素子の素子構造
 東芝は、磁性体メモリMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory:磁気抵抗変化型ランダムアクセスメモリ)をギガビット級に大容量化するための要素技術として、微細化に適したスピン注入磁化反転技術と素子寸法を大幅に削減できる垂直磁化方式を組み合わせた新型MTJ(Magnetic Tunneling Junction)素子を開発した。新技術については、垂直磁化で動作する世界初の成果として、米国で開催中の磁気記録に関する国際会議「Conference on Magnetism and Magnetic Materials(3M)」で6日(現地時間)発表された。

 東芝は、従来は開発が困難とされていた垂直磁化の原理などを踏まえて、材料やプロセス全般を最適化するとともに、界面部分を中心に素子構造の改善を実施。具体的には、記憶メディアで使用実績があるコバルト鉄系で十分な不揮発性を持つ材料を記憶層に採用し、絶縁層・界面層はそれぞれ酸化マグネシウム(MgO)・コバルト鉄ボロン(CoFeB)を用いていずれも1ナノメートル前後の極薄に形成し、各層を平滑な界面で接合した。この構造で形成した素子について、安定動作することを確認したとして今回の発表となった。

 本技術は、スピン注入技術と垂直磁化方式の双方のメリットを活かして、ギガビット級の大容量MRAMに道を開く重要な成果と考えられており、今後は、よりスピン注入に適した材料の開発や、集積化に必要なばらつき低減技術などの開発を続け、数年以内に各要素技術を統合した基盤技術として確立を目指すという。

 なお、本技術の一部は、NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業「スピントロニクス不揮発性機能技術プロジェクト」として開発された。
《冨岡晶》
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